ろくわめっ!さつじんきからにげろっ!(6)

 黒川くろかわたちと合流した文也ふみやたちは今の状況の情報交換をしていた。


「そうか、おそかったか、やっぱり……」

「ええ、もうすこしはやくきてくれていればいつきのこともたすけられたのですが……」

「まあすぎたことを言ってもしかたがありませんので今はぶきをとりに行くのがせんけつではないのでしょうか~」

「そうだな~」

「死体はいいの!?」

「えっと、おねえさんいきてたんだね。」

「それは生きてますよ!こんなわけのわからない場所で死にたくはないですからね。」

「えっと、いつきのしたいならもうきえてるとおもうよ、」

「え!?」


 黒川がいつきの死体の方に目をやると確かにそこにあったはずの園児の死体がまるごと消えていた。


「どうして……」

「う~んと~たぶんもとのばしょにもどっているとおもうよ。」

「元の場所って?」

「そんなことよりもはやくたいいくかんにもどりましょう。たぶんもうのこり十分に―――」


 そう彩人あやとが言いかけたとき彩人の予想通り残り十分のお知らせが近くにある放送機器から流れ始めた。


『参加者の皆様こんにちは、残り時間が十分になったことをご報告します。それにより鬼を一人追加します。これにより鬼は二人となりました。そしてここで追加ルールを追加します。追加ルールとして鬼に参加者発見アシストを追加します。では残り十分頑張ってください。』


「鬼の追加にアシストってどういう……」

「さいあくですね。しかもアシストとは、これでいちだんとおににはっけんされやすくなりましたね。」

「だな、いそいでたいいくかんにぶきをとりにいこう。」

「そうですね。いそぎましょう。」


 悪い知らせであったアナウンスを聞き強化された鬼に対抗できる唯一の武器を求めて走って体育館へ五人は向かった。

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