閑話 千条明美のトラウマ パート1

 お久しぶりです。千条せんじょう明美あけみです。


 私は今、ある生物に対してトラウマを抱いています。それはです。


 なぜ魚にトラウマを抱いているのか、それはある園児との遊びで起きた出来事。


 なんでそんなものがいきなり現れたのか私にはまったくわからないけれど園児たちとのゲームに負けてしまったと思ったらいきなり魚が目の前に現れて私は生きたまま食べられてしまうというトラウマものの幻覚?を体験した。


(あれは幻覚じゃない肉が裂ける痛みなども今も鮮明に覚えているのだから……)


 私は魚を見てしまっただけでその時のことを思い出してしまい吐き気を催したり頭痛に苛まれてしまう。


「病院に、行ってみようかな……」


 ある園児、鳳城ほうじょう胡桃くるみちゃん。彼女がゲームの最後に渡してきた名刺には彼女の名前と鳳城グループの名前、裏面にはデスゲーム参加者と書かれていた。


 (胡桃ちゃんにはこの名刺を鳳城グループが経営している総合病院に持っていけば対応してくれるという話だったけど……)


 そうして私は近場にある総合病院へ向かった。


「あ、あの―――」

「いらっしゃいませ、まずは保険証の提出をお願いします。」

「はい。」

「―――確認しました。千条様ですね。今回はどのようなご用件でいらっしゃったのですか?」

「あ、えっとこの名刺を見せればわかってくれると聞いたのですが……」

「?―――確認しますね……」


 そう言った受付の方は名刺を両面見ると顔色を変えて「すみませんがしばらくの間待合スペースでお待ちいただけますか」と告げどこかへ走り去っていった。


 な、なんなのあの名刺……


 数分して先ほど対応してくれた受付の方ともう一人白衣を着た三十代ほどの男性が現れた。


「あなたが千条様ですか?」

「は、はい。そうですが。」

「私についてきていただいてもよろしいでしょうか?お話はその場所で」

「わ、わかりました。」


  私はその医者の男性について行くと診察室を通り過ぎどこか高級感のある扉の部屋へ通された。

 

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