さんわめっ!まんじゅうかり!!(5)

「そういえばさっきのオラウータンのもんだい、ほんとうのなまえってなんなんだ?」


 文也ふみやはさっきの問題の答えが気になるらしい。首を傾げて胡桃くるみに問う。


「ああ~そうですね~ほんとうのなまえは~オランウータンっていうんですよ~」

「お、オランウータン?はじめてきいた……」


 へ〜と文也が胡桃を見てると横から綾人あやとが足りない説明を補うように説明を付け加える。


「まあいわいるにほんじんのなかでまちがったはつおんがひろまったものですね。」

『へ~』

「じゃあゲームをさいかいしましょうか~」

『は~い』


 そう言って胡桃はゲームを始めるための一連の行動をみんなと始めた。一連の行動を終えてゲームを始める。


「あ〜。ゴリラ~ゴリラってじつはにんげんのようにあるく。〇か×か。」

「ゴリラってよんそくほこうだよな?」

「ご、ゴリラさんはよんそくほこうだったはずだけど……」

「じゃ、じゃあ×かな?」


 文也と彩香あやかが二人で話し合っていると胡桃が秒数を数えだした。今回は三文字なため六秒だ。


「や、やばっ!いそがなきゃ!×だとおもうやつ!あつまってくれ!」


 文也が声かけすると最初のゲームでチームを組んだ二人が文也の下に集まりすぐさま座った。


「ご~お~。ろ~く。しょうりょうですよ~あらあら、すわれてないかたがよにんもざんねんでしたね~。じゃあせいかいのはっぴょうもしちゃいましょうか~」

「ごくりっ」

「せいかいは~〇です~」

「え~~!!!」

「ふふふ、ざんねんでしたね。ふみやくん。」

「ど、どうして〇なの?ゴリラってまえあしもつかってあるくじゃん」

「ええ~そうですよ~ただざんねんです。もんだいは『にんげんのようにあるくか?』というものであるために、ゴリラはたまにですがにそくほこうであるくときがあるためせいかいは〇なんです~」

「ひ、ひっかけじゃないか~」


 ぐわ~と唸る文也。×を選んでしまったグループは文也たち、そして座れなかったグループは四人よって七名がまんじゅうの餌へとなってしまった。


「ではざんねんですがまちがえたみなさまはまんじゅうにたべられちゃってください~」


 そう言うと複数のまんじゅう型化け物が園児たちを囲むように現れ間違えた文也たちを取り囲む。


『う、うわああぁぁ―――!!!』


 園児たちに悲鳴が教室中に響き、そこにはむしゃむしゃと園児を貪るまんじゅうだけが残っていた。


「しゅうりょうですかね~のこったさんめいではルールじょうゲームできませんし~」

「そうですね。ではわれわれさんめいのしょうりということで」

「だいじょうぶだとおもいますよ~ではゲームしゅうりょうです~」


 そう胡桃が宣言した瞬間「いてて」と言いながら文也たちが返ってきた。


「おつかれさまでした~みなさま~ざんねんでしたね~」


 帰ってきた園児の中には最初に食われた女の子二人がいてどちらも泣いていたため胡桃が二人を抱きしめて慰めている。


「くうう~またまけた。かちたかったな~」

「ドンマイ!まああやとがいるからあたまをつかうゲームじゃやっぱかてねぇよな~」

「だな~」


 文也と鉄平てっぺいが負け惜しみじみたことを言いながらため息を吐いている。


「まあもうすこしあたまをきたえるべきでしたね」

「「ぐぬぬぬ~」」


 ため息を吐く二人の傷をえぐるかのように追い打ちの言葉を投げかける彩人。二人はただ彩人を睨みつけることしかできない。


「はいはい~けんかはそこまでです。きょうもたのしくゲームができあそべたのですからよかったではないですか~」

「ま、そうだな。」

「ではおむかえのじかんですからきょうはこのあたりでおわりにしましょうか~」

「そうだね!」


 そうして園児たちの幼稚園での一日が終了した。





 


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