さんわめっ!まんじゅうかり!!(4)

「では~はじめましょうか~」


 胡桃くるみがそう言いながら拳を上にあげてゲームを始める。


「まんじゅうかりへいこう~」

『まんじゅうかりへいこう!!』

「まんじゅうなんかこわくない~」

『まんじゅうなんかこわくない!!』

「じゃあまんじゅうとたたかおう~」

『じゃあまんじゅうとたたかおう!!』

「あ~。オラウータン。もんだい~オラウータンというなまえは~じつは~ほんとうのなまえじゃない。〇か×か~」


 文也ふみやたちはワーワーと騒ぎながら話し合っている。


 オラウータンの文字数は五文字よってペアになるまでの時間は十秒その間に問題の解答を考えつつ同じ回答の人たちとペアを組まなければならない。


 胡桃が「い~ち、に~い」と少し伸ばした感じの数え方をしている。


「ど、どうすヨ!?またもんだいのこたえがわからないゾ!?」

「いってるあいだにもうじかんがなくなるぞ!わからないならてきとうでいいからまずくもう!!〇だとおもうやつきてくれ!!」

『はい!』


 文也の掛け声に三人の園児が集まる。


「あとひとり……だれかいないか?ってあやとたちもうくんでるし!あやかかてっぺいどっちかどうだ!?」

「わたし、がいっても…いい?」

「おう!こい!あやか!」

「うん……」


 人数がそろい二組のチームが座っている。二組のチームとも〇を選び座っている。残って立っている二人は鉄平てっぺいと園児が一人。


「うわ~やっちまった~!!み、みのがしてくれ~」

「むりですね~じゃあせいかいはっぴょ~う!せいかいは~〇です~ふたくみともせいかいです~」

『いえ~い!!』

「では~のこっちゃったおふたりには~けいしっこうです~」


 そう言うと立っている二人の真下に口のようなものがガッポリと開きそこに落ちていき二人が飲み込まれていった。


「では~さんげーむめ、はじめましょうか~」





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