第2話

女の部屋

目覚ましが鳴っている。

ベットから起きる女。

伸びをして首を回す。

水を飲み、身支度を済ませて外へ出る。





電車到着のアナウンス。

それと同時に大きい黒猫が走りながらホームで止まる。

女、思わず頬を叩く。

黒猫の横腹が開き、皆が何食わぬ顔で乗り込む。

女、恐る恐る黒猫の中に入る。

普通の電車内。

しかし、壁は猫の黒毛。

女、背筋を固めて席に座る。





工場

大きく細長い黒猫、大きい三毛猫や小さい三毛猫など、至る所が猫だらけ。

女、思わず大きな声が出る。

周りの人間、やや白い目で女を見る。

女、工場を見回して自分の持ち場に着く。


「ラインは黒猫ちゃんかぁ。台車は三毛猫たん。ロボットはロシアンブルーさん。」


終始ウキウキしながら仕事をする女。

同期が声を掛ける。


同期

「何か嬉しそうだね!何かあった?」

「眼福、眼福。どこもかしこも可愛いんだよね!」

同期

「‥‥何が?」

「いや、何でもない。ちょっと自己暗示をね……。」

同期

「それ大事かもね〜。」


同期、去る。

女、工場猫に夢中。

違うラインの人間、女を見ながらコソコソと話している。

女、終始ニヤつきながら仕事をする。





交差点

女、駅に向かっている。

様々な大きい猫達が走り回っている。

女、小躍りしながら歩く。

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