第十八話恐怖のハロウィンパーティー

「は~お休みの日はごろごろするに限るな~」


「プルルル、プルルル」


「誰だ~私の休日を邪魔するのは」


「ゆりかちゃんだ、なんだろう?」




 ほたるは電話に出てみた。




「ほたるちゃん! 仮装してパーティーしよう!」


「あ~今日ハロウィンだもんね!」


「じゃあ今日の夜7時から私の家集合ね、にちかちゃんとめいひちゃんも呼ぶからね」


「うんわかった、また後でね~」


「後でね~」


「ドゥルン」




「勢いで快諾しちゃったなーまあいいか」


「てかどこから仮装して行けばいいんだ?」


「う~ん、とりあえず仮装の服とかお菓子買いに行くか」




 そして夜はふけて夜7時、三人は仮装の服や道具をバックに詰めてゆりかの家の門の前に立っていた。




「なんか前に来たときと雰囲気違うね」


「だな、なんか不気味な感じがするな!」


「ちょっと怖いかも~」


「めいひは臆病だな~」


「ガガガガガ」




 するといきなり勝手に門が開いた。




「あ…………」




 めいひは息を引き取った。




「え、前来た時手で開けてたよね」


「だよな~!」


「電動なのかな?」




 めいひは息を吹き返し、三人でゆりかの屋敷へと入って行った。




「ガガガガガ」


 


 後ろを振り返ると門が勝手に閉まってしまった。


 門が勝手に動いたが、二回目なので何とかめいひ耐えていた。


 正面玄関から三人が中へ入ると勝手に鍵が閉まった。




「ひ~ なんで鍵閉まったの~」


「めいひ、オートロックだと思うぞ」


「あっそうか、恥ずかしい……」




 いきなり電気が点き、辺りが見えるようになった。


 それによって玄関の床に黒い封筒が置いてあるのを三人は見つけた。




「なんだろ?」




 ほたるはその封筒を手に取り開けて読んでみた。




「この呪いの屋敷から出たければこの館の一番奥まで来るがいい、ただし道中には恐ろしい仕掛けが待っているぞ」


「なるほど~ つまり一番奥まで行けばいいんだな!」


「私は怖いから行きたくない!」


「めいひちゃん大丈夫だよ、ゆりかちゃんが作った仕掛けだろうから、そこまで本格的に怖いのじゃないだろうから」


「ほたるは文化祭の時お化け屋敷で叫びまくってたけど大丈夫なのか?」


「私はびっくり系じゃなければ大丈夫だから」


「そうなのか」




 三人は意を決して前に進み始めた。


 


「怖いから私一番後ろがいい!」


 めいひは泣きそうな顔になりながら言う。


「大丈夫だからほら私の後ろ着いてきて」




 にちかは一番前を進んで行く。


 屋敷には鍵が掛かっている部屋と掛かっていない部屋があり鍵が掛かっていない部屋を進んで行くと、奥へ奥へと進んで行けるシステムになっていた。


 


 三人は奥へ進んで行くとリビングに付いた。


 今日のリビングは前に来たときと違って薄暗く、不気味な空気が漂っていた。


 するといきなりテレビが点いた。




「うおっ、びっくりした~」


「テレビ点いただけだぞ」




 だがテレビの映像が乱れると謎の何もない空間が写し出された、三人はそれに注目していると、いきなり下から白い服を着た女の幽霊が飛び出して追いかけて来た!




「ギャー」


 ほたるはびっくりし大きな声を上げて、めいひは気を失い、にちかはめいひを持ち上げて三人は奥へと逃げて行った。




「あれ明らかゆりかちゃんじゃ無いよねあの感じだと」


「だな、知らない誰かだな」


 すると奥の鉄の扉が開きゾンビの格好をした女が飛び出してきた!




「ギャー?」




 だか、よく見るとそれはゆりかであった。




「なんだ~ゆりかちゃんじゃん」


「バレたか~」


「見てて楽しかったよ~ ほたるちゃんの叫び声とかめいひちゃんの気を失うところとか」


「全部見てたの?」


「うん! セキュリティ室でカメラでみんなを見ながら門を開けたりとかテレビ点けたりとかしてたんだ」


「だから勝手に動いてたのか~」


「じゃあテレビの下から飛び出したのは誰?」


「あれはマネキンだよこっち来て」




 ほたるたちはいつも通りの明るいリビングに案内された。


 「こういう仕組みでマネキンを前に飛び出させたんだよ」


「じゃあどうやって追いかけたの?」


「え、追いかけて無いよ、だって飛び出して終わりの仕掛けだから」


「だってほら録画見せるね」




 ゆりかは少し焦りながらスマホで動画を開こうとしているが録画ファイルが壊れているようで読み込めない。




「なんでだろ? 他のやつは読み込めるのに」


「もうこのマネキン捨てようよ、怖いし」


「もったいないからそんなことしちゃだめだよ! また使えるかもだから倉庫に置いておくよ」


「怖く無いの?」


「あんまり」


「じゃあ私は作っておいた夕飯持ってくるね」




 そう言うと、ゆりかはマネキンを立て掛けて夕飯を取りに行った。


 全員分の配膳が終わった辺りでようやくめいひが目を覚ました。


「やっと、目さましたかめいひ」


「ギャーゾンビ~」


「大丈夫だよ! 私だよ!」


「ゆりかちゃんか」


「そういえば仮装パーティーなのに仮装ゆりかちゃんしかしてないじゃん!」


 ほたるは気になったので言ってみた。


「本来はみんな仮装して来てくれると思ってたんだよね、それ言うの忘れちゃってたな」


「じゃあ今着替えようぜ」


「「「賛成」」」




 ほたるはキツネの着ぐるみに着替え。


 にちかはドラキュラの格好になり。


 めいひはユニコーンの着ぐるみに着替えた。




「めいひちゃんメルヘンチックで可愛い」


「ほたるちゃんだって着ぐるみ可愛いよ」


「あたしはどうなんだ?」


「可愛い」「かっこいい」


「白けた反応だな」


「それよりご飯冷めちゃうし食べよう」


「確かにそうだな」


「「「「いただきます」」」」




 四人はお腹いっぱいご飯を食べ、満足したハロウィンの夜を過ごしましたとさ、しかし相変わらず何故マネキンが動いたのかの真相はつかめなかった。

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