第十七話合唱コンクール

風邪も治り今日もほたるは学校に登校し教室に入った。


 するとにちかたち三人が話しかけてきた。




「ほたるもう大丈夫なのか? だるかったりしない?」


「大丈夫大丈夫もうすっかり治ったよ」




「ほたるちゃんあの本読んだ?」


「あーまだ読んでないよ返してほしいなら明日持ってくるけど」


「大丈夫だよ読みたいならそのままもってて、別に読まなくていいなら明日持ってきて」




「ほんと良かったよ~すぐ治って」


「ほたるちゃんが居ないとゆりかちゃん寂しがりそうだしね」


 めいひはひそひそ声で言った。




 教室に担任の先生が入ってきてホームルームが始まった。




「今日から合唱コンクールの歌の練習があるので机を後ろに下げてください」




 そう言うとみんなは机を下げて横一列に並びました。


 その日から練習が始まり気づけば一ヶ月が経ち合唱コンクール本番の日になった。


 


 会場へ行くためのバスの中




「勝てるのかな~」


「わかんないけど勝てたらいいね」




 バスが会場につき先生の指示に従ってほたるとゆりかは席についた。


 しばらくすると司会の人が出てきて最初のクラスがステージの上の雛壇に乗り合唱が始まった。


 1つ目のクラスからすごく高いレベルの合唱でほたるはびっくりしていた。




「一クラス目からレベル高くない?」


「うん上手だね」


「うちのクラス大丈夫かな~ あんなレベルでみんな来られてら厳しいよね」


「うん、確かにこの感じだときついね」




 その後ほたるの不安は的中し、出てくるクラスは軒並みレベルの高い合唱を披露していった。


 そしてついにほたるたちのクラスの番の直前になりステージの裏へと移動を始めた。


 移動しながら現在合唱しているクラスの合唱の声が廊下まで響いて来ていた。




 そして移動し終えステージの横へと着いた。


 辺りは真剣な雰囲気に包まれており誰もぺちゃくちゃ話したりなど出来ないような感じであった。


 そしてついにほたるたちの番になりゆっくり歩き雛壇へと整列していった。




 最初は緊張して声があまり出なかったが歌っていくうちに緊張も解け歌い終わったあとにはほたる達は自信に満ち溢れていた。


 それは他のクラスメイトたちも同じようであった。




「ねえ私達のクラスが一番じゃない?」


「うん、これは行けたかも」




 周りからも勝ったという自信に満ち溢れた声が聞こえてきていた。




 全てのクラスの発表が終わり後は順位の発表を待つだけであった。


 クラスは全6クラスホタルたちは一組であった。




「それでは順位を発表します。第一位は……3組!」


「二位5組! 三位2組! です!」




 一位の3組は歓声が上がり大喜びしているがそれに引き換え負けた3クラスは唖然としていた。


 


 帰りのバスの中


「あれはおかしいよね! 絶対勝ったはずなのに!」


「まあまあ、自分のクラスが一番に見えちゃうものだよ」


「いーや絶対勝ってた、審査員の好みの問題でしょ!」




 一切負けを認めないほたるを乗せたバスは夕暮れの中、学校へと帰って行った。

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