第九話体育祭「後編」

第九話体育祭「前編」を読んでからこの「後編」を読むことをおすすめします。



お昼休憩も終わり体育祭も後半戦。


午後の部の最初の競技は応援合戦であった。


 


「よーい パーン!」




 ピストルの音がなると二軍は精一杯の声で応援をした。


 赤軍はもう後が無いため赤軍全員がいつも以上の声を出して応援をした。


 結果は赤軍の勝ちであった。


 ほたるたちは陣地へ戻るとぐったりしていた。




「いやー疲れた~」


「うん、みんな真剣に応援しててすごかったね」


「勝てたけど、実際のところ審査員も白軍に勝たせるわけにもいかないよね」


「まあ……確かにね」






「次の競技はリレーだね、ここで三点入るからほぼここで決まるね、私は出ないから応援することしか出来ないけど」


「私も出ないけどにちかが出るから応援しないとね」




 リレーのルールは両軍の選抜された1.2.3年生が全6レーンで走り1年生の一位、2年生の一位、3年生の一位の軍が勝ち点を取ることが出来る。


 そのため一年生でも相手の軍の一年生を抜くことが出来れば勝ち点を取ることが出来るということだ。


 にちかはリレーで一番最初であった、スタートに失敗する可能性もあるため責任重大である。




「来たよにちか居た!」


「うん、スタート失敗しないといいね」




 会場が静寂に包まれスタートの体制へと入った。




「パーン」


 6人が勢いよく走り始めた!


 幸いにちかはスタートに成功しているようだった。




「いいね~今のところ白軍の二年生より早いじゃん」




 にちかはトラック半周を走り終えくたくたになり地面に座っていた。


 


 その後も順調にレースは進み、ラスト三人ほどになっていた、状況はほとんど変わらず3年生が先頭を走り、2年生がその後ろを、一年生がまたその後ろをという感じであった。




 だかここで事件が起きた。


 なんとアンカーのキャプテンの足がつってしまったのであった、このままでは走れないアンカーはこう言い放った。




「にちかお前最初に走ったろ、体力回復してるはずだから託した」


 そう言い残すと彼はアンカーの証の長いハチマキを渡し、地面に倒れぐったりしてしまった。




「あたしがやってやるよキャプテン!」




 そう言い残しにちかはレーンへと入った。




「あれ、なんでにちかがレーンにいるんだ」


「よく見るとハチマキしてるよ」


「本当だ! てことはアンカー!!」




 そうこうしてる内ににちかはバトンを受け取り走り初めていた。


 2.3年生の赤軍は同学年に勝っていたが、一年生は白軍に差をつけられていた。


 にちかは白軍につけられた2メートルほどの差を埋めなければならず全力で走った。


 走り全力で走り抜けゴール直前でついに追い抜いたように見えた。


 そしてゴールしたとき両軍から歓声が上がった。


 にちかは全力で走っていて気づかなかったが、二人はほぼ同着であった、なのでビデオ判定をすることになった。


 肝心の走り切ったにちかは息を荒くしながら地面に倒れていた。


 2.3年生のリレーは両方赤軍の勝ちであり、残りは一年生だけになっていた。


 ここで勝っていれば赤軍の勝ち逆に負けていれば白軍の勝ちとなる。


 結果は本部の人の放送によって伝えられた。




 「一年生リレーの結果は、赤軍の勝ちです! よって赤軍の総合優勝が決定しました!」




 赤軍から今日最大の歓声が上がった。




「やったよ勝てたよ!」


「うん、よかったよ本当に」




 その後の表彰式も終わり全員がクラスへと戻った。




「にちかちゃんすごかったよ、あんなに差がついてたのに相手のアンカーを抜いちゃうの」


「なんとかがんばったら行けたな」


「うんうん、いつもにちかちゃんが部活で練習してくれたおかげで勝てたよありがとう」


「なんかそんなこと言われると照れるな」


「結局最後にアンカーになってたのはなんでなの?」


「それは、キャプテンがこむら返りで走れなくなっちゃってあたしが走ることになったんだ」


「それにしても本当にすごいよ! 二本目なのにアンカーを抜いちゃうなんて」


 にちかは教室を見回すと後ろのドアから担任の姿が見えた。


「先生来たぞもどれ~」




 そう言うと3人は自分の机へ戻り、帰りの回をして4人がやがや話しながら家へと帰って行った。

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