第6話 要件

「ジョナサン、お前にも友人ができたそうじゃないか」

表示された名前に慌てて通話にすると、相手の声が言った。

「・・・もしかしてデイヴィッドのことですか?友人、・・・そうなのでしょうか、父さん」

「中々優秀な人材だと聞いたぞ」

「はい、彼の事なのであれば、確かに。ただ、そう言う人間を選んだわけではなく、あくまでも、良く話すようになった相手がたまたま極めて優秀な人間だったということではありますが」

「そんなことはどちらでも良い。我が一族の将来にとって役に立つ存在なのであればな」

「・・・」

「私もデイヴィッドとやらに会ってみたい。ザ・シーズンには我が家に来るよう伝えてくれ」

「今年のですか?彼にも予定があるでしょうから、都合を訊いてみないと何とも…」

「じゃあ頼んだぞ」

電話は一方的に切られた。通話口を見ながら立ち尽くすジョナサンがそこにいた。

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