第5話 気まぐれではなかった
風太に誘われ、デザート豊富なカフェ『LE デセール』で、待ち合わせする
10分前に着いた
数分後、芽生の姿を見付け手を振ったが、その時、芽生が一人ではない事に気付いた。
混み合ったカフェの狭い通路を芽生の右手を引きエスコートする
「芽生、なんだ、そいつは?」
その
「
「彼って、まだ言い
(彼……富沢君が本当に彼だったら、それはそれで、大変そう! カムフラージュ中の今も、けっこう大変だし……)
「彼!? マジで付き合っているのか?」
「まあ、一応……」
「いつからだ?」
「最近……」
裕貴の方をチラッと見ながら、
芽生の返答に、
「風太は、もう注文したの?」
「まだだ。一番人気の『クレーム ブリュレ ヴァニーユ』にする」
芽生と二人分の支払いとなると、財布の中身から、自分だけでも安価なデザートを選んだ風太。
「どうしよう? どれも美味しそうで、ひとつに決められない」
メニューから目を離せない芽生。
「ひとつに決めないで、芽生が食べたいだけ注文していいよ」
太っ腹な裕貴の態度が、芽生におごるつもりでいた風太の
「そんなに注文したら、食べきれないだろ?」
「そうだね。残すともったいないし」
「それなら、芽生が食べたいの2つ選んで、僕と2人でシェアしよう」
裕貴の提案に、
「それ名案! ありがとう富沢君! じゃあ、『こんもりフルーツタルト』と『
高価な二つのデザートを選び、支払いは裕貴と決めているような芽生に、自分が部外者のように感じられた風太。
(ゴメンね、風太。だって、風太のお
風太への
「どうして、芽生は、そいつを
呼び捨てし合っている自分と芽生の方が親密に感じられたり、裕貴に対する芽生の態度もぎこちなく思え、まだ自分に
「それは……」
「僕は、呼び捨てで
言葉に
「シャイね……」
風太が芽生の方を見て、首を
(風太、疑っている……? 富沢君呼びしているせい? だって、知り合ってすぐなのに、呼び捨て出来ない……)
「なんか、付き合っているにしては
「風太……!?」
言い切った後、芽生の驚きの
「風太、まだデザート来てないけど」
「お前らで食べろよ! 会計もそっち持ちで!」
一刻も早く、その場から
そんな風太の後ろ姿を
(風太が、私の事を好き……それに、風太は、富沢君といる私の不自然さとか感じ取っていた。ちゃんと私の事を見てるから、気付いてくれたんだね……)
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