第4話 リュックのお礼
D組に先に到着していた
(何やっているんだ、あいつ? リュック持ってやったのに、どれだけトロいんだ? マジで遅刻するぞ!)
予鈴が鳴り終わるギリギリになって、やっと芽生が席に着いてホッとした風太。
それも
(どうしたんだ? 芽生に、何か有ったのか……?)
一時間目が終わると、A組の友人、
「何だよ、教室では出来ない話か?」
普段の休憩時間には、D組の教室で話している風太と想。
「風太がグズグズしてるから、王子に取られそうだよ」
「王子……って誰だ? 取られるって、何を?」
何の事か見当が付かない風太。
「マジで
「富沢……? わりぃ、俺、同じ部活やクラスの連中以外は知らんから……」
風太がスポーツ刈りの頭をポリポリ
「だろうね。けど、これは一大事だから! その王子キャラ男子が、
「芽生に……!?」
王子には無関心だったが、芽生の名前が出た
「そうだよ! 風太が告らないから、こんな事になっちまった!」
「何だよ、それ? 俺、お前に芽生が好きだって話していたか?」
「話さなくても、態度でバレバレだよ」
風太
「え~っ! 芽生には、バレているかな?」
「それは無いな。河口の頭の中ってお花畑級だから、周りが見えてない」
芽生が夢見がちという事も、風太より認識している想。
「お前、スゴイ
「まんざらでも無い感じ」
「マジか……」
ダメージを
「そりゃあ風太はスポーツマンだし、僕は風太が大好きだけど。相手は、ほとんどの女子のハートを
さり気なく、自身の風太推しも
「会ってないから分かんねーけど、相手が悪かったか。けど、俺だって、簡単に引くつもりねーよ!」
「その意気だよ、風太! 僕も応援するから!」
「お~、ありがとな~!」
風太の
教室に戻る時、
「あっ、風太、さっきはリュックありがとう! おかげで遅刻しなくて済んだ!」
「先、行くね!」
風太の芽生への気持ちに気付いている百音が、一人でE組へ行った。
「芽生に貸しが出来たな!」
「風太に借りを作ったら、返しにくそう」
「そんな事ねーよ。そうだ、今度、デ……」
デートに誘いたいが、上手く言い出せず口
「今度、何……?」
頭の中は、今朝の
「デ、デザートの店が開店したようだから、行こうか?」
デートと言えずに、思わずデザートと言い
「でも、今月お
小遣いの心配以外にも、裕貴の事が頭をかすめている芽生。
(風太と出かけるの、NGかな……?)
「俺が誘ったから、俺が払うよ」
芽生からのYESという
「えっ、また風太に借りを作ってしまう……」
「
芽生が引き受けやすいよう、風太が行きたい事にして誘い直した。
「そうなんだ! じゃあ、私が、風太の為に付き合うから、借りも
芽生から
その
(これって、富沢君への報告義務が有る? でも、まだ信じられなくて……あの王子みたいな人に限って、あの時は、ほんの気まぐれだったとか? 今頃、私の事、もう覚えていないかも……うん、そうだよね! 私なんかが、富沢君の姫君とか、無い無いっ!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます