5-5

俺は、またまた赤を挙げた。


司会者「赤、赤、赤、青、赤」


司会者「今回は、赤のスフィアの勝ちです」




司会者「ということですので…2勝1敗で、総合優勝は『赤のスフィア』です」



ウォー!



凄まじい歓声が上がり、コンテストは終了した。




その後、表彰式らしきものがあり、金メダルの代わりらしき金の丸いシールが、赤い丸の体の真ん中より少し上辺り(人間でいったら胸の辺り?)に貼られた。


俺は、表彰式の後、とりあえず、赤い丸の店である『赤のスフィア』(こちらの文字がギリシャ文字みたいで読めず先ほどコンテストで店名を読まれて初めて知った)に行くことにした。


俺は、店に入り、席についた。


すると、店長である赤い丸がやってきた。


赤い丸「あなたのおかげで勝つことができました。ありがとうございます」


俺「いやいや、俺は、あなたの方にも批判的な意見も述べたはずです」


赤い丸「そうですが、それだからこそ公平に判断してくれたのだと思い感謝しているのです」



俺は、何かの気配を感じ足元を見た。そこには小さな赤い球体がまとわりついていて、その球体にはリボンのシールがついていた。


小さい赤い球体「おじさん、ありがとー。おじさんだけだよ。三回とも赤を挙げてくれたの。お父さんが勝ったの、おじさんのおかげだよねぇ」


赤い丸「こら、小丸。お客さんに迷惑だろ。すみません、この子はウチの娘の小丸っていいます。何か3回とも赤を挙げてくれたのが嬉しかったらしく、かってに店の方にまで、来てしまって、本当に申し訳ございません」


俺「店長に娘さんがいたとは知らなかったな。いくつなんですか?」


赤い丸「今月で60です」


俺「60?どこが子供だ?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る