5-4

俺は、また赤を挙げた。


ここで今さらながら、審査員の並び順を書くと、客から見て右から、少し黒っぽい赤、俺、村長、オレンジ、青に白線の立方体と並んでいて、札を挙げる順番もその順だ。


司「青、赤、青、青、青」


司「今回は青のキューブの勝ちです。では、ラストの3品目のメニューは?」


ジャン! ドロロロ…。ジャン!


司会者「ブラックコーヒー対決!」


司会者「この対決では、双方ともに、あらゆる添加物は禁止です。つまりミルクや砂糖、その他 もろもろ一切使ってはいけません。コーヒーの味のみで対決していただきます」


司会者「では今度はまた、青のキューブの方からお願いします」


青い四角「では私から、これは超深煎りした濃縮焙煎のエスプレッソです。コーヒーのエキスがギュッとつまった最高級品です。値段も最高級で一杯 10万φもしますが」


俺「デミタスコーヒーは、俺は好きなんだが…」


俺は一口飲んだ。しかしすぐ吐き出した。


俺「何だこれは?深煎りし過ぎて、ただの炭のような味しかしないぞ。よくこれが本格派のコーヒーとか言えたものだ」


ブーッ!


見ると隣の村長もコーヒーを口(実際、口は無いので、口とおぼしき場所)から吹き出していた。


赤い丸「次は、私のコーヒーをどうぞ。これは北冬県の、ある山奥が原産のホワイトビーンズを煎って作ったホワイトコーヒーです。もともと白い豆の色を生かして、ゆっくりと煎り、豆が茶色に色付かないようにしたものです」


俺は、一口それを飲んだ。


俺「浅煎りなのか?しかし、普段飲んでいる深煎りよりも断然うまいぞ!」


他の四人は黙って飲んでいた。


司会者「では双方ラストのメニューが出揃いました。勝つのはどちらでしょうか?青のキューブの『オリジナル 本格デミタスコーヒー』でしょうか?それとも赤のスフィアの『オリジナル ホワイトコーヒー』でしょうか?」


司会者「そろそろ3品目の審査はよろしいでしょうか?良いと思う色の札をお挙げください。どうぞ」


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