5-2

「カフェオレ対決!」


司会者「では早速、青のキューブの店長、お願いします」


スピーカーから流れてくる司会者の声が、そういい終わる頃、私の後ろに、赤い球体が浮かんでいることに気づいた。


赤い丸「遅くなりました。私は、彼のすぐあとにメニューを持ってこなければならないので、また後で…」


赤い丸は、控え室らしき所へと姿を消した。


気がつくと青い立方体が、私の前にあるコーヒーカップにコーヒーを注いでいた。


青い立方体「どうぞ」


俺は、そのカップのカフェオレを一口飲んだ。


俺「うーん、旨い。…が、普通だ」


オレンジの三角錐「これが普通か?」


オレンジは少し怒ったようだ。


青に白線の立方体は少し震えている感じがした。


司会者「では、次は赤のスフィアの店長、お願いします」


今度は赤い丸が、別のカップにカフェオレを注いだ。


俺「ヤケに白いな?!」


俺は、赤い丸のカフェオレも一口飲んだ。


俺「かなりミルク感があるが、コーヒーの味はする」


少し黒っぽい赤い丸「やはり、俺達の代表、変わったもん出しやがる」


気のせいか、隣の球体の黒い部分が、赤に戻った気がした。


司会者「では双方の一つ目のメニューが出揃いました。勝つのはどちらでしょうか?青のキューブの『オリジナル カフェラテ』か?はたまた赤のスフィアの『オレオレ カフェオレ』でしょうか?」


司会者「それぞれの店長にメニューの特徴を聞いてみましょう。まず青のキューブの店長、青の四角さん、このカフェオレの特徴は?」


青い四角「さっきから気になっていたのですが、ウチのコーヒーはイタリア風なのでカフェオレではなくカフェラテですが…これは一つ目なので気をてらわず、ミルクの入ったカップにオリジナルのエスプレッソを注いだだけのシンプルなもので勝負しました。何せ、こちらは去年のチャンプですから。ハハハ…」


司会者「はい、そうですか。」


司会者は、そう言って話を打ちきり、赤い丸の方に向き直った。


司会者「では赤のスフィアの店長、赤い丸さん、こちらのカフェオレの特徴は?」


赤い丸「通常のカフェオレの倍の倍、つまり四倍のミルクを二種類使っています。それでいてコーヒーの味は残るようにしました。コーヒーの苦手な子供やご婦人方でもコーヒーの味を楽しめるかと思いまして。名前もコーヒー イン ミルク イン ミルク、つまり(カフェ)オレオレという感じなので、オレオレ カフェオレにしました」


司会者「はぁ、なるほど…。そろそろ審査はよろしいでしょうか?良いと思う色の札をお挙げください。どうぞ」

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