閑話 ダンジョンマスター2

「ダンジョン、ダーンジョン、トトトトトン……あっ」


 バーチャル空間にウィンドウが開くのは楽しい。

 これはVRやARのソフトを触ったことのある人であればわかってもらえるのではないだろうか。


 『Unmemory Dungeon』の管理権限ダンジョンマスターを手に入れて、なぜか称号としては夢限迷宮ダンジョンマスターになっていたが、ダンジョン管理ウィンドウが開くようになった。

 出現モンスター設定やドロップアイテム設定、はたまた、ダンジョンの種類等、思った以上にカスタマイズ範囲が広く視野いっぱいに複数のウィンドウを展開していた。

 展開したウィンドウがなんとなくドラムセットみたいに見えてテケテケと叩いていたのも仕方がないと言えるだろう。


「で、この開発者メニュー(α版)が表示されてしまったわけだが、どうしようわん?」

 バージョン情報をトトトトトンと連打したら開いてしまった隠しメニューみたいだ。


「えーと、ボクはこのダンジョンの管理者で好きに調整していいと言われている。試してフィードバックすれば良い、所謂デバッガーだね。つまり、触れるところは触ってヨシ!」

 まずは開発者メニューの各種設定をオンにして制限を取っ払うところから始めよう。



 ◆ ◇ ◆



「さすがにネムネムになってきたわん」

 ダンマスとして殺意の高いダンジョンを……は今のところテストプレイヤーもボクしかいないのでやめておいて、コンセプトカフェならぬコンセプトダンジョンとして一芸特化で調整してみた。


「まずはお試しで潜るとして、配信もして良いって言ってたよね。でも、せっかくだから別チャンネルで配信するのもおもしろそうわん」


 身バレしないようにフードを用意して、それとなくリスナーの誘導をするべくSNSの方につぶやいておく。

「気になるチャンネルを見つけたわん――」


―― 魔王のダンジョン色々チャンネル











―― あとがき ――


元々、KAC2023( https://kakuyomu.jp/users/mituha/collections/16817330653961619236 )の第2回のお題『ぬいぐるみ』から生まれた猫乃わん太ですが、まさか連載して一年書くことになるとは思いもよりませんでした。

今回のKAC2024( https://kakuyomu.jp/users/mituha/collections/16818093072866824048 )にも少しだけわん太ネタを書いています。

将来的にこっちに再編成するかは未定ですが、第7回お題『色』として、魔王のダンジョン色々チャンネル( https://kakuyomu.jp/works/16818093074200647846 )を書いていますので、よろしければ御覧ください。


ほら、KAC2024に、長編への道のり賞ってお題に沿って一万字以上書くのがありまして……参加することに意義がある(書けるとは言っていない)。


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