第二回 レッツ・進もう。進めば二つ……手に入るから。
――見渡す限りの風景は、某国民的アニメの猫型ロボットが誕生した近未来とは対照的な、一昔前の時代の風景に似たり。喩えるなら、これもまたアニメだけど、今度は映画館で過去に上映した、神隠しにも似た風景。……そうだね、ウチの記憶が確かなら。
季節的には春。桜並木の情景。
すると目の当たりに現れた巨人……どす黒く淀んでいる全身。何の前触れもなく気配さえも感じさせず、いつの間にかそこにいた。背は三メートル程。いきなり何? ウチは叩かれた。そして砂塵を巻きながら、ウチの身体は地面を滑った。痛いはずだった。
とっても痛いはずなのに……
「待ちなさい! 相手は私だよ」と響く声。打つ鐘のように鮮やかに。
何処から? 何処にいる? と、目で追うと、ウチのそば……エンジェルリング輝くボブの女の子。それにしても……派手なコスチューム。白と青色。それに、背中には白い翼が広がっている。まるで天使のよう。「君、大丈夫?」と、優しき声。ウチの上半身を抱えつつも、キッと巨人を睨んでいる。「待ってて、すぐやっつけちゃうから」と、そのまま立ち上がる。スクッと立ち上がったから、ステーンとウチの上半身は地面に倒れ……
「痛っ」と声を上げることに。「あっ、ごめん」と、その女の子はお茶目に言う。
その姿は、まるで魔法少女。そして名乗る……
「マジカルエンジェル・ミズキ参上!」と声高らかに、ステッキを回しながら。その回転が止まった時、ステッキの先端が青白く光った。何らかのエネルギーを充填しているように見えた。そして構えるそのステッキを、まるでまるでライフルのように。
――叫ぶ! 「マジカル・フラワー・シュート!」と。放つ眩い光。色温度の最も高い青白き光。まるでボールみたいな光の玉が、包み込んだ、巨人を。そのまま消滅。
……したかのように思えた。
「う、嘘……」と、その女の子、ミズキちゃんの表情は一変。驚愕の表情に……
巨人は白煙の中から姿を見せた。全くの無傷と思われる動き、襲い掛かってきた。
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