第14話

「では、3巡目にいきましょう」

 愛にサイコロが手渡される。

 あと6マスでゴール。

 運が良ければ、このターンでゴールできる。

 6が出ろと祈りながら、愛はサイコロを投げた。

 出目は5。

 惜しいあと1マス。

 これで、トラップに当たらなければ、4巡目でゴールできる。

 愛は、期待に胸膨らませながら、14マス目に向かった。

 ゴール手前にたどり着く。

「さあ、あなたの番よ」

 文緒を手招きした瞬間、愛の足元の床が開き、愛は落下した。


 トラップが発動した。

 愛は落下し、うずくまった。

 顔を上げると更なる絶望が待っていた。

 仮面を被り、チェーンソーを持った人が立っていたのだ。

 バルバルバルバル。

 チェーンソーのエンジン音が唸りをあげる。

 仮面人はチェーンソーを振り上げた。

 愛はなす術なく、一刀両断された。


 文緒の番だ。

 文緒以外、全員死んでしまった。

 サイコロを握る手が震える。

 サイコロを抱えながら、手首を握り、震えを抑える。

 深呼吸してから、サイコロをふる。

 出目は6。

 15マス目。

 つまり、ゴールだ。

「やったあぁ!」

 文緒はガッツポーズして、喜んだ。

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