第十回 村田沙耶香著 丸の内魔法少女ミラクリーナ

 どうも、暑い中ラーメンと唐揚げ食って頭アヘアヘなうすしおでっせ。課題の量にビビりながら今日もやっていきましょう。


 さあ、今回紹介するのは村田沙耶香著「丸の内魔法少女ミラクリーナ」です。村田沙耶香さんといえば芥川賞受賞作の「コンビニ人間」が有名ですよね。結構前に読んで記憶ないけど面白かったと言う記憶だけは残ってます。


 とりあえずさ、概要の前に、もしあなたがこの本を積読していたのだとしたら、1ページ目、開いてみてください。


 …………。


 ね、やばいっしょ?


 この作品は四作の短編からなります。一話目が表題作の「丸の内魔法少女ミラクリーナ」です。概要は……


 ଘ♡ଓ*:゚+。.໒꒱°*。⋈。♡:* :゚+。ଘ☆:゚+。⋈。


 私は、魔法少女ごっこが今でもやめられない36歳独身女性の茅ヶ崎リナ! 友達の女の子の彼氏が「別れたら◯ぬ」とか言ってくる束縛系で超大変! 私たち3人で話し合いをして、私の友達との交際を続ける条件として「私と魔法少女ごっこやりなさい!」と言ってから、友達の束縛系彼氏と魔法少女ごっこをすることになりました!


 ଘ♡ଓ*:゚+。.໒꒱°*。⋈。♡:* :゚+。ଘ☆:゚+。⋈。


 ……。


 え、ええ(ドン引き)……。


 てな感じで色々ぶっ飛んでるんですよ。全編色々ぶっ飛んでる設定で進んでいきますが、何処にもなさそうな話なのに、今を生きる僕たちの価値観となんかリンクしちゃう部分があって、皮肉みたいなのも混ざってニヤニヤしちゃいます。


 あと、何処のページを開いても、え、何これと思っちゃうような文字の羅列にビビります。ミントスプラッシュとかパブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティ略してパブスピホムパ(変換で出てこねえ……)とか……。


 全編の中で一番好きだったのが、最後四作目の「変容」です。


 皆さん、言葉とか価値観とかって時代によって移り変わっていくものだと思いますが、こんな移り変わり、どう思いますか?


 怒りという感情ってなに? もっと問題に論理的な視点で向き合った方が効率良くない? みたいになって怒りが若者から消えてゆき、その代わりに「なもむ」っていうとある概念への感情を表す言葉が生まれている、そんな変遷を……。


 たまにありますよね、新しいギャル語みたいな感じでテレビで紹介されて「え、今こんなの流行ってんの!?」ってなること。もうその感じが顕著に出ていて、その流れについていけない人間も出てくるんです。エクスタシー五十川っていうやつなんですけど(もうどんな横文字出てきても驚かなくなってるよね笑)、こいつが「怒りは人間らしい感情だろうが! みんなわかってねえんだよ! てか若者もっとセッ◯スしろよ!」みたいなこと言ってるんです。その人の気持ちもわからんでもない気がしなくもない感じがあったりしたりしなかったりするんですけど、移り変わっていく世界を自分はどういうふうに認識していくんだろう、というふうに考えちゃいますねえ。


 他にもぶっ飛んだ設定の話が詰まってるので、世にも奇妙な物語が好きな人とか刺さると思いますよ。(あ、でも結構性描写あるから注意ね)


 ではここら辺にいたしましょう。それではまた!


 次回の備忘録「コラム① 積読本溜まってる?」

 


 




 


 

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