第七回 芦沢央著 火のないところに煙は

 皆さんはこんにちは(時空を曲げればこんばんは)。第七回、うすしおの読書備忘録の時間でございます。ゴールデンウイークの最終日を嘆きながら今日もやっていきましょう。


 最近雨多くないっすか? 自分湿気大嫌い人間なので、除湿とかしないと生きていけません。


 まあそんな戯言は置いておいて、そろそろ夏が来るということで、いっちょホラーでも紹介するかって感じで今日は「芦沢央著 火のないところに煙は」を紹介していきたいと思います。


 僕の人生でこれが初めてのホラー小説だったんじゃないかな? 結構楽しめました。作者の芦沢央さんの「私」視点で進む、編集社に寄せられる怪異が綴られた連作短編集です。


 まず最初にですね、僕はホラーってその中にもいろんな怖さがあると思っているんですけども、この小説はどんなホラーで魅せてくるのか、っていうのを言いますね。


 このホラー、「あれ、俺も他人事じゃなくね?」ってなるタイプのやつです。


 正直これが一番怖いと思うんですけどどう思いますかね? この恐怖感じた瞬間ずるいってなりましたよ。


 まあ、この要素も含めて、この小説は現実と虚構が混ざり合って、「え、これホントの話?」ってなっちゃう、ホントにあったのか分からない感じって言うのが特徴的でしたね。一瞬怪異的な現象に遭った芦沢央さんのツイートが本文にあるんですけど、これ実際に調べたらそのツイート存在してて、マジで鳥肌だった……。


 そんで連作短編集の面白さって、今までの話とのつながりがあるところだと思うんですよ。この小説にもそんな動きが盛り込まれてて、その展開と恐怖との絡め方がすごい絶妙でビビりましたね。怪談とは何かっていうことに対して結構作者さんは考えていて、そのことも結構印象に残りましたね。


 あと絶対に人の少ない夜の駅とかで読まないでくださいよ。ちょっと音するだけでも悲鳴上げちゃいますからね。(経験者は語る)


 後ですね、これ結構文庫本の装丁が面白くてですね、文庫本の裏の方見ると恐怖しますよ。気になった方は書店の新〇社の欄へレッツゴー。


 というわけで、今日はこの辺にしときましょう。怪談に対して思いを馳せるとこう、何か来そうですからね。それではまた。


 次回の備忘録「青崎有吾著 早朝始発の殺風景」

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