第六回 浅原ナオト著 彼女が好きなものはホモであって僕ではない
第六回、うすしおの読書備忘録の時間です。自分の小説の行き場のないヒーローでレビューをもらったという喜びに浸りながら今日もやっていきましょう。
今回紹介するのは「浅原ナオト著 彼女が好きなものはホモであって僕ではない」という小説です。この題名みて、ここにいる方たちは、「あ、カクヨムの奴や」ってなってると思います。カクヨムやってて知らない人はいないでしょう。
この小説を初めて手に取ったころの僕は、カクヨムのカの字も知りませんでした。普通に書店を歩いててタイトルとあらすじに惹かれて購入。要するにジャケ買いというやつですね。同性愛者だということを隠している安藤純と腐女子の三浦紗枝が付き合うことになる、と言うのが本作の概要です。
はっきり言います。
この小説今まで書籍で読んできた中で一番と言っていいほど好きです。まあ自分がゲイで腐男子だから内容が普通にぶっ刺さったこともあるのですが(注意! 別にゲイだからって腐男子ってわけではないし、腐男子だからゲイってわけでもないゾ!)、この作品からひしひしと感じるメッセージが、直接何を言われなくても僕達に問いかけてくるんです。はっきり言って内容は重いです。自殺って言葉も出てくるくらいだし。それでも、みんなに人生で一度は読んで欲しい一冊の中に入ると思います。
あとめっちゃ同性愛者の純君が思ってることがリアルでですね。主人公の純君が頭の中で、同性の友達に対して「付き合いたくはないけどセックスはしたい」って思ってたり、体育の着替えの時に「男子の裸見放題」とか思ってたり。その描写に出くわしたときに「うっわクッソ分かるぅ~!」って舞い上がってしまいました。初めてでしたね。小説でこんなに共感したのは。
この作品の中に出てくる要素。例えばクイーンとか、解像度が高くてビビるBL本とか、その他もろもろがこの作品の雰囲気を形作っていたように思えます。
それではここら辺にいたしましょう。(あれ、初めて真面目なテンションでレビューしたくない?)
それではまた次回!
次回の備忘録「芦沢央著 火のないところに煙は」
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