第13話 作戦指令3、追撃の手から逃れろ!
『人がいませんね……しゅんが待ち伏せするならこのあたりです。
『ラジャ』
『ラジャ』
「バカなぁあ!!」
『オーライ』
『オーライ』
「
「恐怖と呼べ!!」
違う!! これは指示じゃない!!
あとアネラさんも
悔しいけど、アネラさんは自分の位置を中心にフィールドを座標化している。
残念ながら、味方でしか分からない座標設定は
俺にはどこから
「全員今すぐその場から逃げろ!!」
『
『
「
ダメだ。
返事の割に一人は従う気ないし、もう一人はすでに諦めモードに入っている……。
『きゃぁぁあっ!!』
『ぎゃぁぁあっ!!』
ヘッドホンから
それは
スマホから見えたアネラさんの口角が少し上がったと思ったら、いきなり突撃の合図が出された。
その結果、
世界ランカーだからこそ、彼らなりのプライドと潔さがあるのだろう。たが、それでも姫大佐に太刀打ちできなかったら意味がない。
長生き蝉さんの
辛うじて生きてるのは俺と男子高校生の夜との二人だけ。
俺が指示を出した瞬間、男子高校生の夜は素早く姫大佐の方とは逆の方向に走り去った。
俺は少しだけ操作が
おかげで
まさか新しいアカウントを使う弊害がここに来て現れるとは。
慣れないアカウントだから、コントローラーの調子がよくないみたい。
なんで
アネラさんが有り得ないくらい音量を上げているからに決まっている。
そのほうが臨場感があるらしい。
もっとも、そのおかげでこっちまでもが臨場感溢れている。
だが、問題はそこではない。
なぜアネラさんはこちらの行動を読んでいる!?
『しゅん! 私が
なぜだ!?
なぜアネラさんがこちらを見ている!?
『カメラのことはこのゲームで勉強してあります!』
やめろ!!
ゲームを教科書みたいにいうな!! そして、そのニヤついた顔もやめろ!!
そう、アネラさんは今俺の方を見て、にんまりとした邪悪な笑みを浮かべている。
どうやら、彼女が『
これは決して安い防犯カメラだから性能が悪く、クリアな音声と画像を拾うためにアネラさんの隣に置いているからでは決してないのだ。
ご丁寧にマイクを切って、彼女の仲間に俺の
それだけが救いだ。
世界ランカーの
それだけが唯一の救いだ……。
だが、俺は諦めない……。
諦めないぞ!!
「男子高校生の夜は撤退しろ!! 長生き蝉さんとアボガドさんが復活するまで逃げ切るんだ!!」
「『さん』が抜けてるぞ?」
「今はそういうことを論じている場合ではない!!」
だが、やつはのんびりと構えている。
「慌てるな。まだチャンスはある」
男子高校生の夜はこの期に及んでもまだ挽回できると本気で思っているらしい。
さすがは男子高校生の夜。
夜な夜なゲームをしているだけのことはある。
「全員聞け! 我々にはまだ男子高校生の夜がいる!」
『
『
長生き蝉さんとアボガドさんの復活待ち時間を確認して、俺は士気を上げるためにマイクをONにしてみんなを鼓舞した。
今がリーダーシップの見せ所だ。俺だってアネラさんに負けてはいないはず。
『まだ二人がいるはずです。センリツのクロキシともう一人が生きてます。チェプチャさん、着替えて後ろから奇襲してください』
『ラジャ』
いや、問題はそこじゃない。
なんでアネラさんは俺の新しいアカウントを知っている!?
来る!!
やつが来る!!
どうしよう……。どうすればいいんだ……。
このカメラの意味を知っているのに、奇襲の意味を知らない姫様にどう対処すればいい……。
カメラを通して、俺に指示が筒抜けになっているというのに……。
「皆殺しだ……」
『
『
「えぇ……?」
こうなったら、近寄ってくるやつ全員片っ端撃つんだ。
まだ復活に40秒以上かかるやつの援護は期待出来ない。
「後ろに下がりながら弾丸を撃ち尽くせ!!」
『
『
「えぇ……?」
死んでいるのに返事をするな!!
なにもできない癖に一丁前に自分らの存在をアピるな!!
けたたましい銃声とともに、倒れた者は一人もいなかった。
残るは銃口から上がっていく硝煙と、地面の弾痕のみ。
『かかりましたね! しゅん!』
「なんだと!?」
『
『
「
いや、お前らには聞いてない。
『チェプチャさんに指示を出したのはしゅんを動揺させるためのフェイクです!』
えぇ……? フェイクだと……?
俺は……騙されていたのか……? この俺が……!
にしても、そのドヤ顔はやめろ。
一々俺に話しかける度に勢いよく振り向いてカメラを見るんじゃない!
『
『ラジャ』
アネラさんの号令によって、
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