第11話 Lope/ 色々な種

   11.Lope/ 色々な種


 しかしセイレーンと出会って、さらに分からなくなった。並行世界なのに、こんなファンタジーに登場する種族がオンパレードなんて……。

 これで半人半獣の、ケンタウロスがでてきたら……なんて考えていたら、まさにケンタウロスと逢った。

 ただ、セイレーンは女性しかおらず、人族とのまぐわいを通して子づくりするけれど、ケンタウロスはその逆で、男性しかいないそうだ。なので、勇者の子種は必要がない。下半身は馬……というよりシカに近い。黒い長髪は背中までのび、それが鬣にもみえた。

 賢者、と称えられるケンタウロスに聞いてみたいこともあって、しばらく話をすることにする。

「魔族が、他の種族を毛嫌いし、倒そうとするのはナゼですか?」

「私も古い話は知らないが、同族嫌悪という話は聞いたことがある」

「同族……? 魔族も他の種族と同じなのですか?」

「古い時代には、だよ」

「じゃあ、エルフやドワーフ、それに海人族も?」

「私たちも、だよ。元は皆、同じ種だった……と歌にもある。魔族も同じで、我らは人族から生まれたそうだ」

「でも、アナタもそうですけど、下半身は馬……。いくら人族が進化しても、そういう形にはならない、と思うのですが……?」

「私もそこまでは知らない。だが我らが生まれたときのことが、歌にのこっている。その一節に『人は出会いし、分かたれた、古のもの、今一つ』とある。これが種の分化を果たした生命が、ふたたび癒合したことを示す一節、とされる」


「人と動物が癒合した……。そんなことができるとすれば、神か、もっと文明が発展しないと……。そうか、ここは未来なのか……」

 ソビエトでは人間とサルの交配種をつくろうとしたイワノフ、手術により双頭の犬をつくりだしたデミコフなど、人と異種、それに生物同士をつなぎ合わせる、といった悪魔の実験が行われていた。それが遺伝子工学の進展により、遺伝子同士をつなぎ合わせて、異なった生命をうみだす試みが為された……のか?

「魔族は、そうしたすべてを消し去りたいのですか?」

「真意は分からん。だが、世界にこれほど多くの種族がいる必要はない、とは考えているのだろう」

「どれぐらいの種族がいるのですか?」

「それは私にも分からない。今でも種族は増え続けているだろうから……」

「ボクが知る人間は、そんな様々な種族に分岐するような生物ではなかったはずなのですが……?」

「私にも分からんよ。ただ、我ら馬人族、魚人族のように、片側の性別しかいない種族もいる。人族と交わり、子を生さないと耐えてしまう種族もおり、人族がいなくなると困る。

 なので、魔族は人族を付け狙うのだよ。なぜなら、人族がいなくなれば、我らも絶滅するのだから」


 この世界の事情が、少しわかってきた。しかし、ボクが異世界にくるのは何も事情をさぐるためではない。今回は偶々、転移した先にケンタウロスがいたので話を聞くことができた。

 ボクを異世界に導く役目のグランシールは、不意に魔族とバッティングしたことがあるように、勇者の母親候補となりうる女の子がいるところは分かるけれど、その周りに誰がいるか、までは分からないのだ。

 ここは平地で、草原だけれど、その草は葦のように高くて辺りを見回すのは大変なところだ。

 ただ獣道があり、そこを辿ってすすむ。先ほどのケンタウロスも、その道すがらに出会ったのだ。どうやらここは、その高い葦で見通しが悪い分、魔族からも隠れて暮らせるようなのだ。

 ボクがすすんでいくと、そこにばったりと出会ったのは、ケモノ耳を生やした少女だった。

「人族……?」

「勇者の子種をもつ人族だよ」

 彼女もびっくりしたようだ。

「うちは。猫人族のミャロビンス。ミャロって呼んで欲しいにゃ」

 彼女の家に導かれながら、そう自己紹介された。葦の中に、小さなこんもりと葦を束ねた家があり、そこにミャロの母親のメリン、そして妹のミャムがいた。

 猫人族の名前は長く、短縮するのが一般的らしい。そして女性しかいないのは、男性は戦いにでて、女性だけで家族単位で暮らしているそうだ。

 家といっても、テーブルがあったり……といったものではなく、雨風が凌げるわずかな空間で、三人が固まって眠るためだけのものだ。


「え? お母さんが勇者を生むんじゃにゃいの?」

 ミャロも驚いている。それはボクが来たのは、彼女か、妹のミャムと……と察したからだ。

「勇者は未婚の女性から……らしいにゃよ。だから、ミャロ、ミャム。二人と……になるにゃ」

 メリンはそう説明する。娘を想う心もある一方、勇者を生む……というのは名誉でもあって、そのはざまで揺れているようだ。

 ボクもこれまでは、すんなりとコトに入ったので、あまり気にしていなかったけれど、やはり娘をそういう立場にするかどうか? 家族会議が開かれることになった。

 ボクは葦の森でしばらく待つ。二人とも、適齢期というにはまだ早い。妹といってもミャロとミャムは生まれた日が同じ。猫人族は数人の子供を同時に生むことが多いけれど、双子とかそういうのではないそうだ。

 ミャロは肩にかからないぐらいのくせの強い黒髪に、ぴんと立った耳が特徴だ。ミャムは白いショートヘアで、ストレート。耳はミャロと比べると小さめで、逆にシッポはミャロが短く、ミャムが長めだ。

 二人とも体はほぼ大人、Tシャツのような服に、ホットパンツのミャロに、頭からかぶるワンピースのミャム、と性格から何からまったくちがうようだ。

 外で待っていると、ミャロとミャムがでてきた。

「私たちのお願いも聞いてくれるにゃ?」

「どういうこと?」

「う、後ろからして欲しいにゃ」


 葦を束ねただけの家は、そもそも立ち上がることさえ難しく、広さは二畳もない。そんなところなので、一人ずつするかと思ったら「一緒がいい」と、ミャムがいう。さらにメリンも「手伝う」という。

 ボクがすわった状態で、ボクの片足の上にそれぞれミャロとミャムがすわる。ボクは後ろから、彼女たちの胸をさわり、ふり返った彼女たちとキスをかわす。猫人族は繁殖期があり、今はその時期なのだという。

 自分たちでボクの足にこすりつけ、少しずつ盛り上がっていく。ボクが胸を揉んだり、キスをしたりは、彼女たちの求めに応じてする感じだ。ミャロはボクの手を引いて、胸の先端をさわって……と言わんばかりだ。

 一方でミャムは、口でしてもらうのが好きらしく、キスも情熱的で、胸にもボクの頭をもっていく。

 メリンは家の外から、彼女たちの体を支えたり、彼女たちが気持ちよくなるよう体をさすったり……。

 まるで親同伴で、娘の初エッチに立ち会う……、そんな感じだ。

 彼女たちは全身をくねらせつつ、ボクの足にこすりつけてくるため、ボクの両足の付け根は、彼女たちでびしょびしょになってきた。

 大きな声をださないよう抑えつけようとするので、それが切ない鳴き声となって、この狭い空間を満たす。

 ミャロは気持ちが昂って、ミャムを押しのけるようにして、自分のお尻をボクの真ん中に据えてくると、そのままボクのそれを挿し入れた。きついけれど、とろとろになっている彼女はすぐに順応したようで、三回腰をふっただけでイッてしまった。

 ミャムは一度、どかされた形になって盛り下がったためか、うずくまるように丸くなった。

 そこで覆いかぶさるようにして、後ろからいく。彼女は入れただけで、身体を震わせてイッてしまう。

 でも、ボクは彼女たちをイカせるために、ここに来たわけではなく、子種を授けるまでが必要だ。

 しかし、彼女たちは挿入するだけで感じて、イッてしまうほどの感度のよさに、逆にボクの我慢……というか、絶頂への道のりの長さ、イクまでの時間が最大のネックになりそうだった。




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