第6話 Trickle/ 初めてだけど……
6.Trickle/ 初めてだけど……
魔族に弓を射かけて、ボクを逃がしてくれたのは、岩山に暮らすドワーフ族の人々だった。
魔族による大魔法でも、岩を完全に破壊することは難しく、ドワーフ族は岩の割れ目からでてきて、ゲリラ戦を仕掛けることを得意とするらしい。そんなドワーフ族を討伐しに、魔族がやってきたところでボクが遭遇してしまったのだ。
ボクは走り出した途端、ドワーフの少女が走り寄ってきて、ボクの手をひいて岩の中に引っ張りこんだ。そこで、どこをどう辿ったのか? 暗くてほとんど見えなかったけれど、迷路のようなうねうねと曲がりくねったところを辿って、ドワーフの暮らすエリアに来ていた。
そこは発光する岩があり、地下だけれど仄かな明かりで岩壁が浮かび上がる、これが追いかけられてきたのでなければ、ムーディーな雰囲気を感じる場所だ。
「大丈夫だったか?」
ボクの手をひいて、案内してくれた少女にそう尋ねられる。
ドワーフも長命らしく、彼女もドワーフの中では若いのだろうが、ボクより年上のようだ。
「私はデリドラ。グランシールをまとうってことは、勇者の子種をもつだか?」
ちょっと訛りが雑じる。肉体的な特徴は背が低いことと、筋肉質であること。毛量が多くて三つ編みにするのだけれど、それが四本もあることだった。
ドワーフの村……といっても、洞窟になっていて、アリの巣のようなものだ。
村長も挨拶にきた。
「魔族は?」
「去っていっただ。穴からでてきた者を襲撃する待ち伏せ……が見つかったらできないだからな」
高齢で、髭もじゃの村長はそういって笑う。
「今やこの村も滅びに瀕していて、年頃にはまだ若干早いだすが、適齢期といったら私の孫の、デリドラぐらいだす」
魔族との戦いで、男女問わずに大人は次々に討ち死にしていくため、残っているのは高齢者か、まだ戦いに出ていない若い者だけらしい。
どうやらデリドラをボクに引き合わせるために、ここに連れてきたらしい。傍らにいるデリドラも、満更ではない表情だ。
「私は構わないだよ。もし勇者を生めるなら、それは名誉なことだ」
デリドラも同意したので、ボクは彼女の家に向かう。家といっても穴の空間を広げただけの、小さなスペースで、扉もない。
「父ちゃん、母ちゃんも戦いで亡くなった……。今はこのスペースを与えられているだが、そのうち集団住居に移るだ……」
小さなスペースだけれど、これが家族の暮らすものらしい。地下の岩を掘り進めて町にしているので、人のいられるスペースは少ない。ベッドは一つ、ボクの感覚からすると一人用のものにみえるけれど、そこに親子三人が寝ていたそうだ。もっとも両親は魔族への警戒や、外に食糧をさがしに行くことが多く、三人そろうことは少なかったそうだ。
「私は一人になっただ。でも、子供ができればまた家族ができる……」
そういうと、彼女の方からボクの頭を抱えるようにして、キスしてきた。舌を絡ますほど濃厚なそれは、家族を待望する彼女の気持ちをよく表していた。
発光する岩はによって、仄かに浮かび上がった部屋で、デリドラは服を脱いだ。
「ここでは水が貴重……。お風呂にもあまり入れていないだ。汚れているし。臭くないだか?」
乙女は気にするところだろう。胸はあまり大きくないけれど、それは小柄な体だからで、比率から考えるとふつうだ。
ただ彼女が気にするように、岩の壁はふれれば汚れるし、彼女からは埃っぽい匂いがする。
でもボクは「大丈夫。きれいだよ」と、その体を優しく抱きしめた。
彼女は性に興味があっても、同世代の男はすでに戦いで全滅しており、それが果たせなかった。その溜まったものを吐きだすように、ボクにしがみつくように抱きついてきて、ふたたび舌をからみつかせる濃厚なキスをしてくる。
妄想していたエッチ……? 彼女はそれが先走るタイプなのか、キスをしながらボクの体を撫でまわし、服を脱がそうとしてくる。でもボクの鎧、グランシールは一瞬で背中の肩甲骨の辺りに、コンパクトにまとまるので、彼女に脱がされる必要はないのだ。
それでも彼女は、彼女の方からボクの胸をさわり、その先端をいじってくる。
これまでは受け身の子が多かったので、ちょっとびっくりする。
彼女からボクをベッドに押し倒してきて、そのまま馬乗りになると「私を……女にして」と、上から圧し掛かるようにキスをしてくる。
そのまま舌を這わせ、喉を通して胸へと至り、ボクの乳首に舌を這わせる。ボクも初めてのことでドギマギし、彼女のするがままに任せるしかない。
丁寧にボクの二つの乳首を舐めてから、そのまま下へと下りていく。彼女はボクのそれを握ると「うわぁ、大きい……」と、両手で包むようにして、その先っぽを咥えた。
その舌を先端に這わせた瞬間、ボクはイッてしまう。デリドラも少し驚いたように「んッ!」とうめき声を上げたけれど、口を放すことはなく、そのまま飲み干してしまった。
「これが……勇者の子種なんだな」
「ごめん、ボクも咥えられたのは初めてで、我慢できなかったよ」
「私も男の人のを咥えたのは初めてだ。これで子供ができるのなら、どんどん飲みてぇな」
「飲んでも子供はできないよ」
「分かっているだよ」
そういうと、彼女は自らボクにまたがり、指で自分の中へと導く。
きついけれど、入り口はすんなりとしたものだ。別に、勇者の母親になる人が処女ばかりとは限らないけれど、彼女は同世代の異性がおらず、初めてといっていたはずで、これは年齢的なものか? それとも彼女の個人的なものか……?
しかも、中もしっとり、よくからみついてきて、腰のスイングも上手い。さすがに出してすぐなので、しばらく彼女のそのテクニックを愉しめそうだ。ボクもその大きくはないけれど、筋肉質の張りのある胸をやっと手でにぎることができ、その弾力を確認する。
「は……は……こ……これが……男の人……いい……いい……いいッ!」
彼女はブルッと一瞬震えると、ボクのお腹に手をおいて、しばらく項垂れて動かなくなった。
どうやらイッたらしい。まだボクは出していないけれど、しばらく彼女の荒い息遣いが鎮まるのを待つ。
するとそのとき、横穴なので、扉もないその奥からこちらを覗く、そんな瞳をみつけた。暗いので、相手はよく見えないけれど、確かにこちらを覗いている。
ドワーフは性に開放的なのか……? それとも……? そんなことを考え、ボクが目を向けていると、ふと顔を上げたデリドラが、ボクの視線が向かう先に気づく。彼女がそちらに目をやると、すぐに驚いたような声を上げた。
「エナム⁉」
デリドラにみつかって、でてきたのは少女だった。ただデリドラに走りよると、その腕にすがりつく。
「お姉ちゃん! 男の人とエッチしちゃイヤだ!」
眼には涙をいっぱいに溜め、そういってデリドラを仰ぎ見る。
ボクは驚いたけれど、そんなエナムを抱き寄せるようにすると、デリドラは彼女と唇をかわした。
「これは勇者の子種をさずかる、重要な任務だ。エナムのことを嫌いになったわけじゃねぇ」
あれ? 二人の雰囲気は仲のいい姉妹でも、友達でもなく、恋人のそれを感じる。「もしかして……?」
「ん? あぁ、すまねぇ。彼女は私の恋人なんだ」
びっくりするけれど、納得もした。彼女は「男の人」が初めてで、彼女とはそういう関係だったのだ。そして恐らく、年上でもあってそれをするときは、彼女が男役という形なのだろう。
乳首を舐めてきたり、自分から咥えてきたり、彼女のそれが責めだったことをみても、彼女がエナムにしてあげる側。その手法でボクにもしてきた。ボクがウケになっていたのだ。
「私も……私もやる!」
エナムが急にそんなことを言いだして、ボクも驚いたけれど、デリドラはその頭を優しく撫でながら「エナムも、勇者の子種を欲しいだな」
「え? え?」
ボクが同意するか、しないかに関わらず、いきなり3Pとなったのだった。
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