第18話 テスト前!・・・①
あれから約二週間が過ぎた。
つまり今は、初めてあゆみと勉強した月曜日から、13日過ぎた後の日曜日の朝である。
そして現在の俺たちはというと、
「おはよ~、今日も昨日と同じく一日勉強よね~。はぁ~やっとこの勉強の日々から抜けられるわ~」
あゆみが慣れた感じで朝早くに俺の部屋へと入ってきた。
あゆみも俺の部屋で勉強するのにはもう慣れたのか、もう自分の家のような感覚で俺の部屋をうろついている。
二週間の間、ほとんどの時間をここで過ごしてきたため、当然といえば当然である。
「おうおう、やっとだよ。やっと俺もこの青春真っただ中の高校時代に唐突に訪れてしまった勉強生活から脱出できるよ」
「別にいいじゃない、私たちは学生なのよ。勉強するなんていいことじゃない」
「多少はな?青春を送るうえで支障のない程度のレベルなら問題ないが、さすがにこのレベルだとさすがに影響しかないぞ。実際勉強のために4日の休みの日がなくなちゃってるんだから。俺が遊びに行く予定があったらどうするんだよ」
「は?何言ってんの?遊ぶ友達なんていないくせに」
「……悲しくなるようなこと言わないでくれる?」
俺から見ても、この2週間は本当に勉強地獄であった。
平日は初めてあゆみと勉強したあの月曜日と同じく、学校と俺の部屋で勉強、そして休みの日は一日中俺の部屋で勉強、そんな日々を二週間過ごしてきた。
俺としてもこんな生活は初めてであり、同級生と短い間でこんなに一緒の時間を過ごしたのはおそらく生まれて初めてだろう。
「まさか初めて長い間一緒に過ごした同級生がまさかお前とはな……」
「何?何が言いたいの?」
「別に~何もありませんけど~?」
「よかったわね~一緒に過ごせる同級生が私みたいな美少女で」
「はいはい、それで一緒に過ごす理由が勉強じゃなければどれほどよかったか……」
俺はこの二週間、そんな気持ちを常々持ち続けていた。
当然だ、みんなが新しい高校生活にウキウキしながら楽しく高校生活を過ごしているのに、俺たちは二人は受験期でもないのに毎日勉強勉強勉強勉強、気が狂いそうになるわ!
俺は完全に高校デビューが遅れてしまった、これからの高校生活大丈夫なのだろうか……
「さぁさぁ、今さらそんなことを考えても仕方ないんだから、早く勉強の続きを再開しましょ、もう失った時間はもう戻らないんだから」
「こうなった原因のお前が言うんじゃねぇ!分かったよ、始めりゃいいんだろ!始めれば!!ラストスパートだ、やるぞあゆみ」
俺はあゆみの言葉に反応し、明日のテストに向けて、最後の追い打ちをかけていく。
どうせあと一日の辛抱だ、それくらいは耐えるとしますか……
「―――――お前、ほんとここまでよく耐えたな、マジで。ちょっと尊敬するわ……」
俺は、今の現状から、思わずそんな言葉を口にする。
俺は今まで、あゆみと二週間を共にしてきた。
そのため、別にあゆみをなめていたわけではない、わけではないのだ。
しかし、ローテーブルの上においてあるアナログ時計を見てしまっては、思わずその言葉を言わずにはいられなかった。
現在、時計が示す時刻は午前4時。
午前8時に学校、つまりテストがあるため、あと4時間もない状況である。
そして俺たちは朝から一睡もしていない。
「まぁ、どうせ明日テストでそこまで余裕があるわけじゃないから、夜中まで勉強することにはなるだろうとは思っていたが、まさかここまでとは……」
俺はローテーブルの向かい側に座っているあゆみに向かってそうつぶやくと、
「どう、すごいでしょ。ちょっと疲れちゃったけど、これでテストの準備は完璧ね」
あゆみは大きく背伸びをしながら、眠たそうにそうつぶやく。
やることをやり切った今のあゆみは、流石にこれから何かをする元気はなさそうだ。
しかし、ここまでやれただけでも大したものである。
「いや、本当にすごいぞマジで。正直ここまでやり切るとは思わなかった。これならお前がマジで今回のテスト10番以内になれても俺は何ら不思議に思わんぞ」
あゆみはこの2週間で俺が考えていた、できるかどうかわからないがやり切れば10番以内に入れるだろう勉強量を、こんな時間にはなってしまったものの、見事なこなしきったのだ。
あとは、明日のためにしっかり体を休めるのみ。
「よし、あとは時間は短いけどとりあえず寝よう。あと三時間くらいしか寝れないだろうけど、徹夜するよりはよっぽどましだ」
「うん、私ももともとそのつもり。さすがにこれから寝ないで学校はさすがに無理があるから」
あゆみは眠い目をこすりながらそう言うと、俺は続けてこう提案する。
「あと、今のうちに明日の準備しとけ。どうせ起きた後だと眠くて何か忘れるだろうから」
「うん、今から帰ってすぐ明日の準備したらすぐ寝ちゃうね」
そしてそんな俺の提案にあゆみはそう返すのだが、
「いや、荷物はここに置いたままでいい……」
「えっ?」
俺はあゆみのその発言に対して、こんな提案をする。
「あゆみ、今日はお前泊まってけ」
「はぁ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます