第8話 よくある、今日か〇俺は! の話だ(4)

「そうかぁ~、新作~。動機は不純だけれど。大学を行くために勉強するか、それは大変に良い事だ! 新作! 本当に偉いぞ! そして父さんは嬉しい! それも涙がでるくらいうれしいぞ!」と。


 家の親父様は、お袋様の説明を聞き、この通りの歓喜の声を上げ、感無量……となるから。


「俺の息子が高校生になったら学年上位の好成績か……。新作の中学生の時の成績を考えると信じられない事だけれど。これが夢でなければ、俺は本当に嬉しい。嬉しいよ。母さん……」と。


 我が家の親父様は、俺の変わりように対して、最後には自身の目尻を熱くさせ、押さえつつ、更に歓喜、感動の声を漏らしたのが、二階に居る──。


 それも自主的に勉強をしている俺の耳に聞こえると。


「お父さん、私が言っている事は夢幻じゃないのよ。全部現実なのよ。だから今後が楽しみね……」


「うん、楽しみだ」と。


 我が家のお袋様の言葉に親父様が頷くと。


「本当に凄いよね。家の新作がさ……」


「うん、凄い……」


「あのね、お父さん?」


「ん? 何だ、お前?」


「私ね、新作の中学校三年生の時の、最後の進路指導の時の、三者懇談会の時に、担任の先生から『山本さん、御宅の息子さんは、公立高校の入学は何処も厳しいと思うので。私学の滑り止めを本命にして受けましょう』と『それか定時制高校か職業訓練学校にしましょう』と言われたの。でッ、その時にね、私は、自身の頭をハンマーで殴られたぐらいショックを受けたのよ。お父さん……」


「そうなんだ?」


「うん」と。


 多分、ここで家のお袋様は頷いたのかな?


 でッ、その後俺の両親は、黙り込んだみたいで反応……。



 二人の会話が俺の耳へと聞こえないな? と思い。少しばかり間が開けば。




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