第3話 心配なのかな
私は、よくテーブルの椅子に座ってテーブルの上の角っこに両足をひょいと乗せてスマホでテレビや動画を見ることがある。とても行儀が悪い。そんなこたよくわかっている。子供らにもよくテーブルに足を乗せないよう注意しているが、実際に椅子に座ると足が自然に上がるほど楽なのだ。
そんな私を見つけるとあいちゃんはテーブルにぴょんと飛び乗り素早く私の腹の上に乗ってくる。いつも大きく伸びをして私の方を見ながら座る。それから気のすむまでうとうとしたり、少し上の方をじーっと見ていたり、スマホを一緒に見たりしている。私はそんなあいちゃんの背中をトントンしながらスマホを見ている。
あいちゃんはそのうちに気が済むと鼻先でスマホをどかそうとするのでどかすとひょいとテーブルに乗って他の椅子の背もたれの上に横になる。
今までも私が移動すると後をついてきたが、最近、テーブルで楽で行儀の悪いこの姿勢になろうとするとどこにいても私に近づいてくる。そして座り、気が済んだらひょいとテーブルへ。意地悪いが行儀の悪い姿勢になると見せかけてアイちゃんが近づいてきたら普通に座ってへらへらしてみせると、しばらくじーっとこちらを見ているがあきらめたように椅子の背もたれへ横になる。そしてすかさずまた行儀の悪い姿勢を試みると素早くやってきてとからかうとあいちゃんは行儀よく座ってこちらに何か言いたげに見ている。これは私以外にはやらないみたいだ。ということは、アイちゃんは心配してそばにいてくれているように思えてならない。ますますあいちゃんの中には天国から来た小さな人が入っていて、今日は母、今日は祖母、今日は祖父、今日は叔父と日替わりで今日も見守りにきてくれているのかもしれない。
アイちゃんとわたし もちづききなこもち @kinakomothizuki888
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アイちゃんとわたしの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
たくましいね、そうくん!!/立菓
★120 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
まきりい日記/槇瀬りいこ
★24 エッセイ・ノンフィクション 連載中 57話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます