炎の大魔導師 VS 黒いペンギン -3-
「ミリアおばはん、泣くのは後にするペン。はい、これ」
「あ、ありがとうございます」
スッと、トビーがスマートにハンカチを渡してくれました。
裸のイワトビーが、どこにこれを隠し持っていたのかという謎は深いため、あえては問わないことしましょう。
「それがどうして、敵対することになってしまったのですか。若い衆たちは皆、あたたかくブラックペンギンを受け入れたのですよね」
「ああ、そうじゃん。初めは、特に問題なかったじゃん。ブラックペンギンはイワトビーではないけど、同じペンギン族で羽も嘴もあるし、色は違うけど、そう違和感もなかったじゃん。同じように、暮らしていけると思ったじゃん。ところが……」
イワトビーA が言葉を詰まらせました。
イワトビーB、Cも、なんとなくこの先を聞きたくなさそうに、顔を伏せています。
「ブラックペンギンがブラックペギーと成り変わり、虚栄心の塊のコブを作った理由。敵を知るうえで、ここは重要なところです」
「コブを、作った理由……。確かに、そのとおりじゃん……」
イワトビーAは、まだ何かを恐れているようです。
「いよいよ、その話をするときが来たのですじゃん。やむなしですじゃん……」
覚悟を決めたようなイワトビーB。
「じゃ、じゃんっ……!」
もはや口を割ることのないイワトビーC。説明はすべてAとBに丸投げのようです。
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