氷の大魔導師の策 -2-

「友だち!?」


「うん。イワトビーたちとは主従関係だから、友だちにはなれないでしょ。ぼくは人族だもん。ペンギンの世界からは離れた存在だもん。上下関係なく、友だちになれるんじゃないかな」


 ブラックペギーは顔を上に下に向けている。


 よしよし、迷っているな。

 

 やはり、圧倒的なトップに君臨すると孤独になるだろうね。心の底では、対等な友愛を求めているはずだ。


「ぐぬぬ、しかし……」


「上下関係しか作れないようなら、本質的にはひとりぼっちだよ。ぼくが手下になったら、忖度するようになるから、二度と本音では話さないよ。よく考えて、ほんとうにそんな孤独を、受け入れられるの?」


「う……」


 どうだね、さすがにさびしさが身に沁みるだろう。


「えーい! こんな減らず口の友だちなんかいるかーい! おまえみたいなん友だちにしたら、イライラしてしょーがないわ! おい、そこのイワトビー! 薪に火をつけろ! こんなやつ、すぐ丸焼きにして喰ってやる!」


 えっ!? す、少し、待ちたまーー!


「着火」


 忠実な手下であるイワトビーの手によって、ま、薪が燃え上がったではないか!


 あ、熱! ひ、ひ、ひ、火が、すぐ真下に! このままでは、本当に焼き焦げてしまう……! 


「ブ、ブラックペギー殿! わたしを今すぐ、貴殿の手下にするのだ! わたしは***********の息子、フレデリックだ! きっと貴殿の役に立ってみせよう! だから助けてくれ!」

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