番外編Ⅰ ミリアの年齢 

 ミリアはさっきから、紅茶をがぶ飲みしている。


 ずっと歩き通しで、よほど喉が渇いたのだろうから仕方ないけど、さすがに飲みすぎじゃないだろうか。


「フレデリック君、少々席を外します。ここで待っていてください」


「はーい、トイレですね、行ってらっしゃい!」


 ほらね、やっぱり。


 いくらおかわり自由とはいえ、あれじゃトイレも止まらなくなるよ。さっきから何度も行ってる。ミリアはトイレが近いんだから。


 あれ、ミリアの鞄が落ちてる。


 中から、何か落ちてるな?


 拾ってみると、ミリアのマイナンバリングカードだった。


 あーあ。こんな大事なものを。


「……」


 ちょっとだけ、ちょっとだけ。


 ミリア・ペルファーニア


 生年月日2xxx年11月11日。


 ふーん。二十二歳か。


 うん。五歳からしたら充分おばさんだな。


 これからもミリアおばさんって呼ぼうっと。


 

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