炎の大魔導師と氷の大魔導師は大図書館を目指す -7-

 どうしてこんなところに、モルダリンマンがいるのでしょうか。


 このダンジョンには弱小魔物か、ゴールドモンスターしか出ないのではなかったのですか。


 モルダリンマンと言えば、そこそこ強い上級魔物ですが、問題はそれだけではありません。考えていても仕方がないので、まずは試してみましょう。


「 モアモアモアファイアー」


 モアファイアー三倍の炎に包まれても、


「ケケケッ!」


 モルダリンマンは平気な顔して笑っています。


 やはり魔防が高く、魔法はほとんど効果がないようです。


「えい、えい、えい、えい」


「ゲッ! ゲッ! ゲッ! ゲッ!」


 その辺の小石を拾って投げつけてみましが、かんたんに交わされてしまいました。


 ただ、小石投げの動きは、肩こり改善につながりそうなので、家に戻ったら今後も継続して肩を回してみようと思います。


 魔導師では勝ち目がないということが判明したので、無駄な戦闘は早めに切り上げることにします。


 ダンジョンに潜る前に用意していた、ポケットの中にあるこれを使って――!


 不思議なことですが、今、洞窟内にて風が動きました。


「ミリア! 大丈夫か!? ここはわたしに任せろ! モアモアモアモアブリザード!」


 風を切って現れたのは、自称氷の大魔導師フレデリック君です。

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