炎の大魔導師と氷の大魔導師は大図書館を目指す -7-

 どうしてこんなところに、モルダリンマンが。


 このダンジョンには弱小魔物か、ゴールドモンスターしか出ないのではなかったのですか。


 モルダリンマンといえば、そこそこ強い上級魔物。


 だけでなく、確か耐性が――。


「 モアモアモアモアファイアー」


 四倍になった炎の球がモルダリンマンを包むも、


「ケケケッ!」


 やはり魔防が高くて、ほとんど効いていないようです。


「えい、えい、えい、えい」


「ゲッ! ゲッ! ゲッ! ゲッ!」


 その辺の小石を投げつけてみましが、これもほとんど無意味のようです。


 肩こり改善くらいにしか効いていない模様。


 効率が悪過ぎます。


 無駄な戦闘に時間を使うのは、苦痛でしかない。


 それではさっそく、ダンジョンに潜る前に用意していたこれを使って――。


 ? 風が、動いた?


「ミリア! 大丈夫か!? ここはわたしに任せろ! モアモアモアモアブリザード!」


 振り向けばそこに、さっそうと駆けつけた風の、氷魔法を放つ五歳フレデリック君がいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る