炎の大魔導師と氷の大魔導師は大図書館を目指す -6-
リンリンシチーを出て、張り紙に記載されていた地図通りに進んでいくと、林の中に洞窟がありました。
実にわかりやすい外観です。
ここからダンジョンですと言わんばかりに、入り口は岩窟のアーチ状になっています。
一歩足を踏み入れると、暗がりの廊下には、ご丁寧にぽつぽつとランプの灯りがともっています。
なるほど。町内会によって、それなりに整備されたダンジョンのようです。
「モアファイアー」
「ギャーッ!」
岩陰に潜んでいたミミズオーもこの通り。
案内に偽りはなく、出てくるモンスターは最弱クラスばかりのようです。
これなら、炎魔法だけでも問題なさそうです。
ただ、このクラスの魔物を倒したところで、たいした金銀は望めません。
何としてでもゴールドモンスターを倒して、多額の金銀を手にしなければ、洞窟まで来た意味がありません。
しかしながら三層まで下りても、一度もゴールドモンスターを倒すどころか、遭遇すらしません。
このままでは骨折り損のくたびれもうけです。
他にも冒険者と何人かすれ違いましたが、特に金儲けがかなって喜んでいる様子もなく、ひとしきり地層に潜ったあと、結局あきらめて地上に戻っているようです。
わたしは効率が悪いことはきらいです。
小者相手にでも魔力は消耗しますし、そろそろ切り上げ――……。
トントン。
? 誰か今、わたしの肩をたたきましたか?
トントン。トントン。
……困りましたね。
振り向くと、目が合ったのは強敵モルダリンマンです。
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