炎の大魔導師と氷の大魔導師は大図書館を目指す -5-
ようやく一人になれました。
ここのところはずっと小さい子供を相手にしていたものだから、少々くたびれていました。
正直なところ、あのおかみさんに任せて、こうして自由に歩けるのは清々しいものです。
さっそく、リンリンシチーを散策してみることにしましょう。
とはいえ、数ヶ月前にも用事があり来たところなので、街の様子はそう代わり映えありません。
裏通りにある鉱石屋は相変わらず、真っ黒なカーテンを引きながら、その影でときおりイラついたように鉱石に釘を刺して売り物を台無しにしていますし、そこのエナジードリンク屋は客から生気をこっそり吸い取って、それをポーションに詰めて、ふたたび何食わぬ顔で客に売っています。
それなりに平和な、いつもの風景です。
『きたる冒険者たちよ! ダンジョンに挑戦して一獲千金を得よう!』
なんでしょうか、これは。
掲示板に張り紙が掲載されています。
どうやら、リンリンシチーを出て少ししたところに洞穴があり、そこがダンジョンになっているらしいです。
そのダンジョンには、そこまで強い魔物もおらず、その割りには稀にゴールドモンスターが出没するらしいです。
持参金を増やしたい。
悠々自適な一人暮らしならいざ知らず、今は子連れの身。
先立つものが必要です。
ダンジョン。戦闘はそこまで得意ではないですが、強敵がいないのであれば、挑戦してみるのもいいかもしれません。
ミリアが掲示板前を去ってすぐ。
町内会の班長さんがポスターを張り替えにきた。
『きたる冒険者たちよ! ダンジョンに挑戦して一獲千金を得よう! ※雑魚敵の中にときたま現れるモルダリンマンに注意!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます