炎の大魔導師と氷の大魔導師は大図書館を目指す -5-

 ようやく一人になれました。


 ここのところはずっと小さい子供を相手にしていたものだから、少々くたびれました。


 正直なところ、あのおかみさんに任せて、こうして自由に歩けるのは清々しいものです。


 リンリンシチーに来たのも久しぶり。散策してみることにしましょう。 


『きたる冒険者たちよ! ダンジョンに挑戦して一獲千金を得よう!』


 なんでしょうか、これは。


 掲示板に張り出されている張り紙のようです。


 どうやら、リンリンシチーから少し離れたところに洞穴があり、そこがダンジョンになっていると。


 そのダンジョンには、そんなに強い魔物もおらず、その割りには稀にゴールドモンスターが出没するらしい。


 持参金を増やしたい。


 悠々自適な一人暮らしならいざ知らず、今は子連れの身。


 先立つものが必要です。


 ダンジョン。戦闘はそこまで得意ではないですが、強敵がいないのであれば、挑戦してみるのもいいかもしれません。


 


 


 ミリアが掲示板前を去ってすぐ。


 町内会の班長さんがポスターを張り替えにきた。


『きたる冒険者たちよ! ダンジョンに挑戦して一獲千金を得よう! ※雑魚敵の中にときたま現れるモルダリンマンに注意!』

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