ケンカ(後編)

湊とえりは、谷川家にたどり着いた。

「送ってくれてありがとう」

「うん」

「じゃ。また明日」

「…。孝司いる?」

「え?いると思うけど」

「ちょっと挨拶していく…」

「挨拶…?」


「ただいま」

「おかえりー」

リビングから、孝司の声が聞こえた。

湊は、玄関からリビングまで、えりを支えながら、歩いていった。

「あれ?湊君。…仲直りしたんだ」

「…孝司、ごめん」

湊は急に謝った。

「何が?」

「俺のせいで、えりに怪我させた…」

「そうなの?」

「大事な姉ちゃん、傷つけてごめん」

「…。いや…、別に。湊君、真面目だなぁ」

「次から、気をつける」

「とにかく仲直りしたなら、良かったよ」

えりと湊は顔を見合わせて、微妙な顔をした。


次の日、えりは湊の家に行った。

合鍵で部屋に入ると、いい匂いがした。

「お邪魔します…」

「おう。足、大丈夫?迎えに行けばよかったな…」

「大丈夫」

「もうすぐ出来るから座ってて」

「湊…」

えりはキッチンにきた。

「…何?」

えりは、湊を後ろから、抱きしめた。

「もう、どっか行かないで…」

「…ごめん…」

「…ううん、私もごめん…」

湊は後ろからまわしてきたえりの手を握りしめた。

「ごめん。…他の男に触らせたくない…」

「…気をつける」

「仕事上、避けられない時もあるし…。わかってるんだけど…」

「うん…」

湊はクルッと回ってえりと向き合った。

「跡、つけさせて…」

湊は、えりの唇に触れたあと、首筋にキスをした。

「見えないとこにして」

「だめ」

「湊…!」

「えり…。ご飯、後でいい…?」

「…うん」

湊はえりをお姫様抱っこをして、ベットまで運んだ。

「体中にキスマークつける」

「だめ、体中は」

湊はえりに断られてムッとした。

「でも、どっかにはつけて…」

「うん…」


「湊…、私もつけたい…」

「うん…」

えりも、湊と同じ場所にキスをした。


「おそろい」

「うん…」

それから湊とえりは、長い時間キスを繰り返した。

「俺のこと欲しがってよ…」

「湊の全部が欲しいよ…」

「もっと」

「湊と一つになりたい…」

「うん」

「色んなところなめて、その後奥まで入れて…」

「うん、あとは?」

「あと?あとは、湊も気持ちよくしてあげたい。…何がいい?」

「なめて」

「うん」

えりは、湊を押し倒して、感じそうなところを一つずつ丁寧になめた。

「ん…」

えりは時々聞こえる、湊の感じてる声に合わせて、舌をどんどん感情的に動かした。

「えり…、気持ちいい…」

「ん…」


「やべぇ…」

そう言うと、湊はえりと体勢をかえて、上に覆いかぶさった。

「えり、すごい濡れてる…」

「ん…」

湊の舌と指で、感じてる音がどんどん大きくなっていった。


「やぁ…」

「俺無しじゃ、生きられなくなればいい」

「もうなってる…」

「足りない…」

指も舌も激しくえりをいじる。

「ん!イク…」


えりがいったあとも、湊はしつこく指と舌でさわる。

「もう、だめ…」

「もっと乱れて…。俺の前でだけの顔してよ」

「や…」

「ちゃんとできないと、入れないよ」

「やだ。ほしい…」

えりの中が、締まる。

「俺の入れてどうしたい?」

「わかんない。でも、ほしい。湊…」

湊は、舌と指を抜いて、別のを激しく奥深くに入れた。

「あぁ…!」

湊はえりの手を握ってベットに押し付ける。「えり、こっち見て」

「うん…」

目を合わせながら動く。

「えりは、俺のもんだから…」

「うん…」

「全部」

「うん。湊も私の…」

「そう…。常に覚えててよ…」

えりを睨みながら言う。

「うん…」

「じゃ、あげる…」

湊は、少し乱暴に強くえりの中にはいった。「あっ…」

「えり!」

「ん…、湊…!」

二人は落ちていった。


湊は、余韻をのこしながら、ベットで、えりを後ろから優しく抱きしめる。

「背中にもつけとく」

湊は、背中を強く吸った。

「もう、いいよ」

「だめ」

湊はそう言うと、もう一つ印をつけた。

「もう、いや」

「…なんでだよ」

湊は不服そうだった。

「跡、残ったらいやだもん」

「残してるんだけど」

「じゃなくて、何年も。肌、汚かったら、湊嫌でしょ…?」

「別にぃ」

また、背中にキスをした。

今度は、優しく。

「次、えりからボディタッチなんてしたら、全身キスマークだらけにするから」

「わかったけど。もう、怖い…」

えりは、ため息混じりで言った。

「…何?浮気すんの?」

「浮気しないよ」

「別れるの?」 

「別れたくないよ」

「うん」

「私、湊いないと生きられないから」

「怖っ」

「いや、湊、さっきそうなればいいって言ってた」

二人で笑った。

なんだか、こうやって笑うのも久しぶりに感じた。

「好き?」

湊はえりに聞いた。

「好きだよ。愛してる」

「どのくらい?」

「人間の中で、1番」

「ふ~ん」

湊は満足そうだった。

「いつも、その質問するけどさ、湊はどのくらい私を好きなの?」

「…えりと同じ」

「え、ちゃんと言ってよ」

「やだよ、恥ずかしい」

「おいっ」


「お腹すいた。ご飯食べたい」

「…ん」

「今日何?」

「ロールキャベツだけど…」

「やったぁ。好きなやつ」

「もう一回してからね…」

湊はえりに、キスをした。

「お腹すいたのに…」

「食欲に勝つくらい、好きだよ」

「…ん?」

えりは、なんか違うと思ったけど、湊の首に手を回して、キスに応えた。

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