同窓会 番外編

家に帰ってすぐ、哲からラインがきた。


[お疲れ!今日、めっちゃびっくりしたわー。まさか、谷川と、付き合ってるとは]

[だよね。ごめんね、言わなくて ]

[性癖なんだろ?(笑)]

[覚えてた?]

[これからさ、Zoom二次会あるから参加してよ。今、谷川も一緒?]

[一緒だけど、もう寝たよ]

[一緒に住んでんの?!]

[うん]

[すげーな。じゃさ、湊だけでもいいから]

[んー、ちょっとだけね]

[やった!じゃ、後でパスワードとか送る]

[了解]


(ちょっと面倒くさいけどいいか。こんなことめったにないし)


「じゃ、二次会始めるぞー」

哲が号令をかけた。

二次会は、自宅からの人、何人かでカラオケに行ってそこでズームしてる人、自宅だけど、他の友達も一緒の人、などなど色々な場所で繋がっていた。

「今日の主役は、湊だよね」

「えー、恥ずいからいいよ…」

これは本音だった。

「いつから付き合ってたの?」

「大学3年…」

湊はイヤイヤ言った。

「湊が告白したの?」

「…。やっぱコレやめない?」

Zoom参加者全員が「止めない」と返事をした。

「…どうしよ…」

湊は困った声を出した。

「湊が喋らないなら、後日、谷川から聞いちゃうよ」

「だめ」(本当の事言いそうだから)

「じゃ、好きな所は?」

「…え?話やすいとか…」

「何それ。適当すぎる!」

「いや、かわいい?」

「確かに、谷川可愛くなったもんね。湊と付き合ってから綺麗になったって事で良いですか?」

インタビューっぽく言った。

「いや、俺の前の彼氏の時」

「えー?じゃさ、湊と谷川はその彼氏と別れた後再会して…みたいな?」

「いや、俺、中学から片思いしてたから」「えー?!」

参加者全員が叫んだ。

「え、だって彼女いたじゃん。土屋!」

「うん、でも中3で別れたよ」

「湊が、片思い…?似合わなすぎる…」

「でもさ、高校の時何人か彼女いたよね?」「あー、遊び」

「最低。えりちゃん、知ったら傷つくよ」「えり、知ってる」

「えー?!」

湊は、皆の「えー?!」が心地よくなって来てしまった。

「えりちゃん、心広いねー」

「めっちゃ、ひいてたよ」

「アハハッ!だよね!」

「えりちゃんは、湊のどこが好きなんだろ?」

「俺が言うの?!」

「湊しかわかんないじゃん」

「…そう言われると…。話しやすいとか?」

「さっきと一緒じゃん!」

皆笑った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る