同窓会 2

同窓会当日。

「湊、来たぞー!」

「わー、久しぶり!」

「何?またイケメンになってんじゃん」

「え?ホントだー!」

湊が同窓会の会場の貸し切りのレストランに入ると、男子からも女子からも声があがった。


「うるさいよ」

湊は笑いながら、輪の中に入っていく。


「もう大体集まった?」

湊は、飲み物を受け取りながら、哲に聞く。「あとね、谷川かな…」

「ふ~ん。あ、あれじゃない?」

「あ、来た?」

哲は、湊の指さす方を見た。


「谷川ー」

哲は、えりに声をかけた。

えりはホッとしたように、レストランに入ってきた。

「哲くん、久しぶり〜。ごめんね、遅れて」

「いや大丈夫…」

「あ、もう乾杯終わっちゃった…?」

哲の様子が変なので、えりは不安になった。

「あぁ、全然まだ大丈夫。谷川、キレイになってて、びっくりしただけ…。な?湊」

「ホントだ」

湊はにっこりと笑ってえりを見た。

(趣味悪っ)

えりは心の中で思った。


「全員揃ったから、乾杯しよー!」

哲が号令をかける。

「谷川もいこ?」

哲が、エスコートする。

「ありがとう」

えりはチラッと湊を見ると、少し拗ねていた。

そのまま、違う方へ行ってしまった。

(おいっ。フォローするって約束はどうした?)


同窓会は、立食パーティ形式だった。

「皆、谷川も、来たよ〜」

湊にかわり、哲がフォローしてくれた。

「え?谷川?キレイになったね」

「ほんと、美人〜」

「いやいや、なんにも、変わんないよ」

「いやいや…」


えりは、中学の頃は子供っぽい顔をしていたが、高校以降は、背が伸びたり、痩せたりで、きれいになっていた。

さらに、化粧ばえをする顔なので、今日は特にきれいだったのかもしれない。


「じゃ、皆さん集まってくれてありがとう!!皆変わってたり、変わってなかったりで…」

「そりゃ、どっちかだろ」

湊は哲にツッコミを入れる。

「何かあれば、俺か湊に言ってくださーい」

「おいっ、俺、幹事じゃねーぞ」

「湊は、ますますイケメンになったけど、性格が悪くなりましたー。皆さんも、クラスメートの変化を楽しみながら飲みましょう!乾杯」

「乾杯!」

クラスの皆は笑いながら乾杯した。




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