第23話 最小サイズに手こずる
去年から最小サイズのアリが、キッチンに出没するようになった。初めて見た時、あまりの小ささに(老眼も手伝って),ただ黒い虫が動いているとしか判別できなかった。
虫眼鏡でよく見たらアリとわかった。「コツノアリ」という種類らしい。体長1ミリくらい。
食べ物を探して各自物色中のようだ。まだ数匹なので見つけたらガムテープに貼り付けて捕獲。しかし日増しに数が増えガムテープ攻撃の最中、四方に逃げていき、その上こちらの様子をうかがい、ほとぼりが冷めるまで隠れている手合いもいる。
侵入口を探してみると、こんなところから?という場所から出入りしている。入口に殺虫スプレーを吹くが、今度は違う入口から出てくる。小さいのでどこからでも入ってくるのだ。
アリの巣コ〇リを使うつもりはその時はなかった。ただ家の中に入ってこられるのは御免だが、外にいる分には構わない。
ある晩シンク下の扉を開くと、長く連なっているコツノアリを発見。慌ててガムテープで退治。これがあらゆる場所で連日続き、日に数度あり、参ってしまった。何も食べ物を置いてもいないのに、、。私達の目の届かないところで、今もあいつらは・・・ああっ!と気が気でない。
アリはおしりから液を出し、それが道しるべとなり後に続くアリが迷わない。なのでこちらは、その液を酢などで拭いてまわるほうが、アリの行列を防ぐことができる。それもやった。やり尽くした。
意を決し、調べて最強だと書かれていた駆除剤を取り寄せ、シンクの下に置いた。覗き見ると、嬉しいことに集まってきているではないか。シメシメ・・
しかし心静かな日もそう長くは続かなかった。いつもは冷蔵庫に入れている瓶入りの砂糖を一晩出したままにしていて、調理に使おうと手に取ると、中に無数のコツノアリが入っていたのである。
また夏がくる。怖い・・・
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