第18話  お名前通り

 田舎道を歩いていたら、小さな水たまりにグルグル巻きの針金が落ちているのに気付いた。しかしその針金は頭を上げ、ウネウネと動き出した。後ろは、蚊取り線香のようにグルグルしていて、1本の線のような姿で這うところまでは見届けていないので、正確な長さはわからないけれど50センチ以上はありそう。

 帰宅後調べると、”ハリガネムシ„という名前の虫だとわかった。「そのまんまやん!!」と突っ込みたくなる。

 カマキリなどに寄生する、と書かれていて、今日見たハリガネムシは、宿主から出てきたところかな。

 ハリガネムシは卵の時は川にいて、水生の昆虫に食べられ、その昆虫が陸に上がりカマキリなどに食べられると、その中で育つ。そして成長すると、産卵のために戻りたいのでカマキリを誘導し川に連れて行き、すぐにお尻から脱出ゲームし、そのカマキリは溺死。しかし魚がそれを餌にするという、連鎖がうまくできているらしい。腹の中で川に誘導するハリガネムシ。姿といい、不気味である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る