第14話 思春期の帰り道

 中学生。ちょっとおしゃれに目覚めるお年頃。私は、色つきリップを塗っていた。帰り道。友人と別れ、近道をしようと普段通らない、田んぼのあぜ道を自転車をこいでいた。

 蚊(ユスリカ)の大群が「蚊柱」となって、いくつもあるのが見える。行く手を拒む蚊柱。これは突入するしかないと、蚊柱に向かっていった。

 蚊柱を抜けると、夏の白い制服の上着に何匹かとまっているのを、払いながら帰宅した。

 洗面台で手を洗おうと、何気なく自分の顔を見たら、私の唇に、黒いユスリカが何匹もベットリ張り付いていた。。。夏のホラー話。

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