第7話年老いた父親のフェンシング

 それは、スンイチが父・ホシアキと一緒に

TVを見ていた時の事だった。

スンイチが、会話でもするかと

ホシアキの顔を見ようとすると驚いた。

「汚ねぇな。」

思わず呟いてしまった。

それもそのはず、ホシアキの右手が口の中に入っている。

食べカスだろうか。気になるものがあるのか

取ろうとしていた。

ホシアキは、スンイチの呟きを聞くと

一旦手を止め、立ち上がった。

そして、半身と共に右手を突き出し素早くステップを繰り出した。

「フェンシング」

それがホシアキから出た言葉だった。


---怪物の誕生だ。


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ばばかわ @dasaimusi

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