第5話

サイド ???

「な、なんだこの水は……どこから出たんだ…」

そう言って浅く掘られた穴に張られた、飲んでも問題なさそうなほど澄んだ水に少女は目を丸くした。そして、水をよく確認すると薄っすらとだが、僅かに乾燥した水の跡が残っていた。


「……ここから、遡ると……やはり、この壺か…」

おかしい…と思いつつも、流れた跡の残るダンジョンの地面を指でなぞり、確認する。やはり、あの少女的には趣味の合わない、無駄に豪華に凝られた壺だった。


「しかし、覗き込んでも壺の中には水は無いし…穴もない……どっから湧き出したんだ?」

そう言ってヒョイッと持ち上げ、上下左右、ひっくり返しながら確認するが、不思議な事に何も無い


首を傾げながらも注意深く確認する少女だったが、途中で聞こえた、ぺちゃぺちゃと舐める音が中断させた。


「わあぁ、まてまて……そんな怪しい水を飲んだらお腹を壊すかも知れないぞ……」

そう言う少女だったが、それはないと確信していた。そもそもラ・グーという種はきれいな水がとても貴重な砂漠の中で、安全な水とそうで無い水を判断する能力を生まれた瞬間から、遺伝子レベルで刻み込まれているのだ。


「しっかし、不思議な壺だな…微かに魔力を感じるが、何に使う魔道具か解らないし、水を出したのかと思うと中に水が入ってないし……」

ふぅ…と、安全な水だと解り、安堵していた少女だったが、やはり壺の事が気になる様で、しきりに眺めては、落胆していた。

それもそのはずだ。水という、今最も必要とする物が出るというのに肝心な方法が解らないのだ。


と、悩みながら壺を持ち上げて中を覗き込んだ時だった。


「えっ…うわわぁぁ!?」

バシャア!と、勢い良く水が溢れたのだ。

冷たい水に身震いした少女はふるふると震えながら、目を輝かせた。


「っ〜!もしかして、願ったら出してくれるのか?」

期待と安堵から倒れそうなほど震える体をしゃがむ事で押さえ付け、呟く。


「水が、欲しい。」

呟いた途端、壺が微かに光り、底からどんどんと水が溢れていく。溢れた水が溢れ、飲んで少なくなった水に合流したことで、やったぜベイビー!と、顔を突っ込みながらグータが飲んでいた。


「やった…これで、これでみんなを救える!!!」



サイド 幸運の壺

ふはー、出し過ぎて気分悪くなったけど、やりきったぞ!しかし、こんな幼いのに旅をするなんて、異世界ってやっぱり物騒なのかな?ラクダの様な生物が居るし、砂漠の様な場所にダンジョン?があるのかな?


てか、良い子過ぎて反応出来なかったけど、銀髪碧眼褐色エルフ耳!まさかのダークエルフさんですか?もしかしてタイーホされちゃいますかね?

ろ、ロリコンちゃいますから!

ワテ、健全、ダイジョブただのツボだから…


いえすろりーたNOたっち。おけー、復唱しよう。紳士の心得イエスロリータノータッチ!

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エセ邪教集団に強引に幸運になれる壺を買わされた俺氏、なんの因果か異世界で壺に転生してしまったんだが……〜それはそうとマジでTUBOtueee!!!なんだが?〜 堕落しきっただいてんし(笑)クゥーウェル @kuu--narou-kakuromu

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