第4話 希望の壺は幸運の壺(笑)でした。

サイド???

「何だこの成金趣味全開な壺は……」

そう言う少女だったが、何故か微小の魔力を感じられるその壺に僅かな期待を感じていた。


「魔力を感じるという事は、魔導具の類なのだろうが、生憎と私は得意ではない。こういうのは末っ子のミリアの方が得意だろう」

そう言って、少女は脇に抱えながらグータの待つ入口に向かう。


「さてグータ、森の民の領域までもうすぐだ。しかし、もう夜になってしまったから今日はここで野宿しよう。どうやらこの廃ダンジョンはモンスターが居ないらしい。」

入り口についた少女はグータを撫で、すっかり暗くなってしまった砂漠を見渡して言った。


そのままくるりとダンジョンに向き直り、少し進んだ開けた場所に薄い寝袋を敷き、砂漠の夜は物凄く冷える為、少し離れた場所に軽く穴を掘り防寒用の焚き木を整え、毛布を被りながらふと、呟く。


「あぁ、後少しで水を買えるのか、我が国の民を救う為にも少しでも多くの、水…を……」

焚き木によって温まった体が疲れを癒やす為に眠りに誘う中、僅かな希望を吐露した少女。

そんな中、ラ・グーが休憩する為に降ろされた荷物の直ぐ側に置かれた幸運の壺(笑)こと瓶名瀬はキラリと光った……気がした。


サイド 幸運の壺

うおおん、この少女ええ子やないかぁ!よう解らんけど、皆のために旅をしてるのかぁ……思わずエセ関西弁が出るくらいに感動したぞ。

っと、そういえば俺のご利益に水ってあったよな?

どうやったらでるんだ?水よ、出ろ‼


ちょろ、ちょろろ……ちゃぷちゃぷちゃぷ!


お、おおぉ!?な、何か一気に水が溢れてきた気がした!?何か力が抜ける感じがしたけど、ステータス!

______________________ 

種族 幸運の壺(笑) Lv.7 Rank2

ステータス

耐久 777/777

魔力320/∞

信仰0/∞

幸運777

ご利益

水 苔 ダンジョン製の良いナイフ 回復ポーション 解毒ポーション 転移魔法陣 吹矢トラップ 毒霧トラップ 土 結界 魔力の籠もった銅剣 パン 鉄くず

加護

無病息災(低)

______________________


あ、あれ?魔力が増えてる?も、もう少し幅があるから水を出してみようか。

______________________ 

種族 幸運の壺(笑) Lv.7 Rank2

ステータス

耐久 777/777

魔力319/∞

信仰0/∞

幸運777

ご利益

水 苔 ダンジョン製の良いナイフ 回復ポーション 解毒ポーション 転移魔法陣 吹矢トラップ 毒霧トラップ 土 結界 魔力の籠もった銅剣 パン 鉄くず

加護

無病息災(低)

______________________

お、おお!大体10ミリリットル位で魔力を1消費するみたいだな!

後はとにかくこの子が起きるのを待つことにするか。



サイド ???


「う〜ん、やはり薄手の寝袋と毛布だけだと地面が硬くて痛いな……それに少し肌寒いし…」

そう言って起きた少女は目の前の光景に言葉を失った。

「な、何だこの水は……」

焚き木をする為に浅く掘った20㎝ほどの穴に、水が張っていた。

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