第6話【その頃の富士見書房 『魔宮の人喰い植物』 その1】
今回取り上げるのはゲームブック『魔宮の人喰い植物』です。『スカイフォールシリーズ』となっていましたが、その最終巻に当たる第4巻でした。
正直、何で買ったのかは全く覚えていません。しかも最終巻だけなんて・・・。
書店でつけてくれたカバーが、『イトーヨーカドー』のものだったので、場所は覚えています。今もありますが、そう言えば書店がありましたっけ。しかも独自のカバーですから、イトーヨーカドーとして、書店売り場を運営していたことになります。まあ、余談ですけど。
初版発行は昭和62年5月30日(1987年)。なのでこの頃だと、少し前倒しされた4月頃の発売になるんじゃないかと思います。
300ページ程でお値段は480円(消費税導入前)でした。
表紙はイラストレータの米田仁士氏。後にゲームブックの線も雑誌『ウォーロック』の表紙も担当し、現在も『GMウォーロック』の表紙を担当されています。私のような『ウォーロック』世代にとっては、レジェンドのようなイラストレータさんです。
表の帯を見ますと、『コインを使う』(コイントス)とうたわれていました。サイコロじゃないのっ!? 今回のエッセイを書く上で、資料確認した際に初めて気づきました。
ということは多分当時、買っただけで遊んでいませんね。こういう無駄な買い物は、当時よく行っていました。だからプレイしていないゲームブックが結構あるのです。
それから三十年以上(四十年近く)が過ぎ、後生大事に(貧乏性とも言う)本棚に並べていたのですが、まさかアラフィフになってからエッセイネタに次々引っ張り出してくるとは、もちろん考えもしませんでした。
結果的に貴重な資料が多数現存することになって、今はこうしてネタに使っています。
話を戻します。
これ、シリーズですから第3巻までの経緯があるはずですが、持っていないので詳細は不明です。最初に書きましたが、ホント、何で第4巻だけ買ったんだか・・・。
カバーの折り返しのところにある説明文をお借りしますが、『滅亡寸前の地球を脱出した人々が、ある惑星の北半球に不時着し、スカイフォールと名付けたSFファンタジーの世界』とのこと。
今の異世界転移みたいな設定でした。
これ、すごい気になるんですよね。宇宙船に乗り込んで、太陽系から大脱出して、スカイフォールと名付けた惑星に降り立った後、直ぐの話なのか、それとも何百年か経ってからの話なのか。
ざっと目を通すとSFっぽいところは全く見当たらなくて、当然宇宙船などもありません。科学兵器みたいなものもなさそうです。
更に『はじまり』の部分を読む限り、魔法も存在する単なる異世界ファンタジーそのものでした。ぶっちゃけ、内容は王子様の婚約者であるお姫様が誘拐されたので、助けに行って欲しいと。
SF要素、どこにもないじゃんっ! 主人公の『きみ』がいるところも、ごく普通のファンタジー系王国だしっ!
今だったらつっこまれそうな設定でも、この頃は誰もまだ知識も経験も無かったので、そんなものかと気にしなかったのでしょう。
思いのほか話が長くなりましたので、いったん切ります。
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