第1章 【空想系サブカルの夜明け前】
第0話【第1章の前書き】
二十一世紀も二十年以上が過ぎ、年号も令和へと変わりました。
周りを見回せば老若男女、様々な媒体を通じて多くの人々が、何らかの『異世界ファンタジー』に触れる世の中になったと感じます。今や幼稚な遊びではなく、エンターテインメントの一角を担っていると過言ではありません。
ならば日本において、その始まりはいったいいつ頃であったのか?
ライトノベルであれば『ロードス島戦記』や『スレイヤーズ』が発表された時期であり、TRPGであれば『ソードワールドRPG』が発表された時期。筆者だけではなく、そのイメージを持つアラフィフ以上の方々は多いのではと思います。
西暦にして、1988年から1989年。昭和末期から平成元年にかけての出来事となります。
ですがそれらが産声を上げる数年前、それこそ夜明け前と相応しい時期のことについては、あまり知られていないのではないでしょうか? 実際はそうした時期が短いながらも存在したことは、これまで殆ど語られていなかったように感じるのです。
この時代のことをまず筆者は語ります。
ただその時代は筆者も小学生から中学二年生くらいでしたので、それほど覚えていたり、また手元に資料が多く残されているわけではありません。
ですのでわかる範囲でまずは触れてみたいと思います。
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