ようやく落ち着いた感がある 第8話 知らんけど

開城君との一件が落ち着き、次の日の昼休み、朱里がお手洗いに行った時に、その人は来た。


「少し、お手洗いに行ってくるわね」


「わかったよ、行ってらっしゃい」


僕は、スマホを触ろうとポケットに手を伸ばすが、ポケットにスマホが入ってなかった。


「捜し物は、これですか?」


僕は、声がした方を見るとそこには、僕が朱里と付き合う前に、いつも朱里と一緒にいた人が居た。

名前は知らない。


「僕のスマホ・・・ありがとうございます」


「渡す前に、質問ね」


「な、なんですか?」


「影春君、どうして朱里ちゃんと付き合うことになったの?」


そこで、教室に居た人達は全員、話をピタリと辞める。


「ごめんなさい、言えません」


そこで顔をこちらに寄せて、聞いてくる。


「どうして、ねぇどうして?」


「朱里に、迷惑掛けそうなので・・・」


「わかった、なら聞かないよ、もう1つ質問」


「な、なんですか?」


そこで、僕のスマホの待ち受け画面を見せて、聞いてくる。


「どうして、朱里ちゃんとのツーショットが、待ち受け画面になってるの?」


「撮ったから?」


「疑問に疑問で答えないでよ」


そこで、戻ってくる朱里。


「幸太、お待たせ〜」


「朱里、おかえり」


「あっ、はるかちゃん、幸太と何話してたの?」


朱里は、笑顔だが目が笑っていない。


「う、ううん、何も話してないよ」


そこで、去っていく遥さん。


「待って、僕のスマホ・・・」


「ごめんなさい、無くさないように」


「ありがとう、ございます」


それからは、何も無かったかのように、教室内はザワザワと騒ぎ出す。


「あっ、そうだ」


「どうしたの?」


僕は、スマホを操作して写真を、朱里に見せる。


「僕、ここでバイトしたいんだよね」


「それは、どうしてなの?」


「うーん、欲しい物があるから?」


「それなら、私が買うわよ」


「いや、それは売り物じゃないんだ」


「そうなの?」


「あぁ、明日にでも面接に行ってみようと思うよ」


「分かったわ、受かったら頑張ってね」


「あぁ、ありがとう」


それから、5限目と6限目が終わって、朱里と帰りよる時に、誘拐されてしまった。



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