第9話 監禁されたパート2 ①

誘拐され、監禁された。

誘拐は初めての体験で、ワクワクしてる。


目隠しをされ、車に乗せられ手首を後ろで結ばれた。

おぉ、よくテレビで見る誘拐だ。


それから数十分程、車に揺られ到着した倉庫で目隠しを外された。

目の前には覆面を被った、[誘拐犯A]


[お前が、二宮家具、社長の娘か?]


誘拐犯が、朱里に尋ねると、朱里は答える。


「そうですけど、何か?」


誘拐犯は下卑た笑みを浮かべ、去っていった。

そこで、僕は尋ねることにした。


「ねぇねぇ、朱里」


「どうしたの?」


「もしかして、誘拐は経験あるの?」


「あるわよ」


「何回?」


「確か・・・3回よ」


「すごいな、僕は初めての経験だよ」


「普通は、1回も無いはずなんだけどね」


「確かに、そうかもね」


そんな会話を、朱里としていたら[誘拐犯A]と〈誘拐犯B〉の会話が聞こえてきた。


[誰だ!あの男は]


〈ターゲットと一緒に居たので、連れてきました〉


[目撃者か・・・]


〈どうしましょう?〉


[どうもこうもねぇよ、まずは身代金だ]


〈分かりました、電話しますね〉


それから、誘拐犯と二宮家具の社長、つまり〔朱里のお父さん〕との会話が始まった。

電話越しで、遠かったのでほとんど聞こえなかったが、聞こえた内容は面白かった。


[お前の娘を誘拐した、返して欲しかったら5000万用意しろ]


〔・・・・・・・・・〕


[は?娘の命の価値は、そんなに安くない?もっと上げろ?]


〈どうしますか?〉


[なら・・・8000万だ]


〔・・・・・・・・・〕


[は?まだ足りない?]


〈少し、貸してください〉


[お前に、やれんのか?]


〈できます!〉


受話器を受け取り、電話する誘拐犯B。


〈お電話変わりました、もう1人の犯人です〉


そこで、Aに叩かれるB。


[俺が電話する、あっち行ってろ]


〈失礼しました〉


そこから、また始まる電話。


[なら、身代金1億だ]


〔・・・・・・・・・・・・〕


[今日の0時に、〇〇公園の3番ベンチの下に置け]


〔・・・・・・・・・・・・〕


話が終わり電話を切るA。


僕たちは、その間にBと会話をしていた。


「Bさん、後ろの縄が外れかけてるよ」


〈そうか、教えてくれてありがとな、少年〉


それから結び直したB。

疑問をぶつける、朱里。


「Bさん達は、なぜ誘拐を?」


〈ティーフィリアって、漫才知ってるか?〉


「知らないです」


〈そうだよな、まぁその漫才を6年程やって観客は0、気を紛らわすため酒にタバコにギャンブルに溺れて行った、するとすぐに借金だ〉


「大人って、大変なんですね」


〈そうだな・・・〉

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