3秒で考えたせいで適当になってる 第7話

僕たちは、家を出て歩き学校近くまでやってくると、何故か『周りの生徒』達がザワザワしていた。


『おい、なんでボッチの影春が、学園アイドルの二宮様と一緒にいるんだ?』


『俺に聞くなや、俺も知りたいわ』


『二宮様、狙ってたのに』


『影春の声、初めて聞いた』


「僕たち、噂になってるね」


「ふふ、そうね」


さっき周りの生徒に言われた通り、僕は学校で喋った事が無いのだ、そのせいで友達が居なくて、ボッチの影春と言われている。


朱里に関しては昨日も言ったけど、学園1の美少女として有名だからだ。


その2人が手を繋ぎ、楽しく談笑しながら登校していたら、もちろん噂になる。


なので、こんな事にもなる。

場所は男子トイレ、朝礼の前の時間。


僕はトイレがしたくなり、朱里に断りを入れ行く。

ちょうどトイレをし終わった頃に来る、開城信治かいじょうしんじ君とその取り巻き。


「おい、なんでてめぇ見たいな陰キャが、朱里と付き合えるんだよ」


「「「そうだそうだ」」」


「ごめん、先に手を洗わせて貰える?」


「てめぇ、舐めてんのか?」


「「「舐めてんのか」」」


いきなり殴られる、僕のお腹。


「ガハッ」


トイレの床に、崩れ落ちる僕。

そこを、開城君に踏まれる頭。


「朱里は、暴力が好きなのかな?」


「てめぇ、調子こいてんじゃねーよ」


「「「そうだそうだ」」」


と言って、僕の全身を蹴ってくる取り巻き。

そこで鳴るチャイム。


「チッ、これで勘弁してやる、二度と朱里と話すんじゃねーぞ」


「「「ねーぞ」」」


開城君が去って行き、壁に寄り掛かり座る僕。


「痛た、朱里には迷惑掛けないようにしないとな」


そこで、やって来る朱里。


「なんで普通に、男子トイレ入ってきてるの?」


無言で抱きつかれる。


「汚いよ?僕トイレの床に倒れちゃったから」


「隠さなくていい、知ってるから」


「もしかして、誰かに聞いた?」


「私も、トイレに行こうとしたら、聞こえて来たから」


「隠そうとしたのに、てか着替えたい」


「保健室行く?」


「行くか」


それから、僕たちは保健室に行き体育服に着替えた。


「あっそうだ、開城は私に任せておいてね」


「何するの?」


「うーん、制裁かな?」


それから、僕たちは普通に授業を受け、休み時間はずっと朱里と過ごしていた。


それから昼休みになり、先生に開城君が呼び出された。

戻って来た開城君は、顔を真っ青にしていきなり僕に土下座をして来た。


「朝の事は、すいませんでした」


僕は何が起きてるのか理解出来なくて、朱里に聞くことにした。


「朱里が何かしたの?」


「少しだけ、お父さんに開城さんがどういう人物か教えただけだよ」


これは、後から聞いた話だけど開城君の父は、二宮家具と仲がいいらしく、関係を保ってたらしいけど、朝の事をキッカケに関係が最悪になり、朱里が今後の開城君の態度を見て決めるってなったらしい。


なんか、よく分かんないけど


「朱里、僕の為にそんな事しなくていいのに」


「幸太の為でもあったけど、今までの開城さんがしつこかったので」


「確かに、毎回遊びに誘われてたし、付き合ってくれって口癖のように言われてたね」


「これで、幸太に手を出す人は居ませんね」


「朱里、ありがと」

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