精霊たちの大地

岸亜里沙

精霊たちの大地

碧玉へきぎょくの植物は生い茂り、瑠璃色るりいろの鉱物が大地を染めている。


精霊たちはきらめく羽で風をまとい、虹色の雲の隙間を乱舞していた。


「エアリス、このままミア大陸まで、びましょうか」


「そうね、コシュ。きっともうユリフが待ってるしね」


流星群が近づく夕闇の空は、徐々にざわめきを増していく。


5000年に一度の壮大な天体ショーを特等席で観る為に、エアリスとコシュは新大陸へと急いだ。


「前回の流星群も貴方と観れたわね、エアリス」


「ええ。また貴方と一緒に観れて嬉しいわ、コシュ。今回はユリフも一緒に見れそうね」


眼下には紅蓮ぐれんの大海原。

水平線はどこまでも果てしなく続き、空のざわめきとは反対に静けさを増していた。


エアリスとコシュ以外にもたくさんの精霊たちが、新大陸を目指しているようだ。

遊園地のアトラクションを待つ瞬間ときのように、誰もが心躍らせている。


「ねえエアリス、ミア大陸まで、あとどれ位かしら?」


「そうね、15時間もあれば着きそうよ、コシュ」


あちこちに点在する空中庭園を横目に、エアリスとコシュは優雅にび続ける。


これから起こる惨劇を、何も知らぬまま・・・。


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精霊たちの大地 岸亜里沙 @kishiarisa

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