第52話 ルート1 黒鬼姫 終

《side黒鬼姫》


 私はやっと手に入れた。


「レン君」


 私は、レン君を私の部屋へと案内する。

 女の子らしい。可愛い部屋に。


「へぇ〜ここがヒメの部屋なんだね」

「うっ、うん。この部屋に入る男の子はレン君が初めてだよ」

「そうなんだ嬉しいな。ねぇ、ヒメ。わかっているよね」

「うん」


 私は、ゆっくりと服に手をかけていく。


 ふふ。


 レン君は、あの女に打ちのめされて私がおとなしくなったと思っているでしょうけど。そんなわけがない。あんな女の言葉なんてどうでもいい。

 だけど、私が打ちのめされて、可哀想な姿を見せたことでレン君は私を守ってあげたいと思うようになり、私をいじめて興奮するようになった。


 ハァー最高。


「ねぇ、ヒメ」

「どうしたの?」

「夏休みなんだけど、一緒に海に行かない?」

「えっ、でも水着が恥ずかしいわ」

「ヒメの水着が見たいんだ」

「レン君が言うなら。一緒に買いに行ってくれる?」

「もちろんだよ。今度の休みは買い物に行こうね」

「うん」


 彼は満足そうに寝息を立て始めた。


 私はベッドを寝て自分のキャミソールを着る。


 隣の部屋へと移動した私は、頬を緩める。


「ふふ、ふふふふふふ」


 彼が起きてしまうから、大きな声では笑えない。


 だけど、私の用意した部屋に彼がいる。


 そして、彼の写真が飾られた彼だけのコレクションルームから、本物の彼を眺める。


 最高の瞬間。


 私は等々彼の心を手に入れた。


 多少遠回りをしたが、彼はこれで私のことしか考えられない。


「変な女?危ない女?どうでもいい。彼は私を心配する。私が彼を必要としていると知ってもらえる。ハァ〜幸せ。優しいレン君。あなたが好きよ。だけど、あなたは優しいから誰にでも優しくしてしまう。それはダメ。きっと自己成長の段階でそうなってしまったんでしょうけど。そんなの嫌なの。あなたが好きなのは私だけ。あなたが他の女性に目移りしたら、病んでしまう私。それをあなたは放っておけないでしょ?だから、これからも私だけを愛して、私だけを見てね。私の心は弱いから。私の精神は病んでいるから。あなたは私を心配して、私だけを愛さなけばいけないの。そうね。既成事実を作ってあなたの子ども宿さなければ。あなたと私の子供ならきっと可愛いでしょうね。楽しみで楽しみで仕方ないわ。あんたが大好きよレン君」


 私は彼の寝顔を隣の部屋から覗きながら、悦に浸る。

























「見た?」







「邪魔したら? あなたも」







「レン君は私だけのもの」










「だから、誰にも言ってはダメよ。私のことを」










さようなら。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あとがき


どうも作者のイコです。


黒鬼姫ルート完結です。


ちょっと、書籍化作業プラス、ドラゴンノベルスコンテストに作品を応募しようと思って、新作を書き始めたの時間がなくなりました。


新作は《ログ・マギテック》と言います。

良ければ読んで見てほしいです。


《ボクは彼女の相談役(スパイ)をしていただけなのに》に関しては、落ち着いたら、椿ルートを書いていきたいと思います。

 また、連載を再開した暁にはどうぞよろしくお願いします。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ボクは彼女の相談役(スパイ)をしていただけなのに イコ @fhail

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ