第2話「メッセージ」
連絡先を交換してからというもの、アイツは毎日欠かさずにメッセージを送ってくる。メッセージの内容は、おはようやおやすみといった
ありきたりな内容だ。だからこそ、毎日飽きもせずメッセージを送ってくるアイツが不思議で仕方がない。俺以外に友達がいないのだろうかと考えたが、学校では大人数に囲われて過ごしているので、友達がいないということはないだろう。それとも、俺に友達がいないと思われているのだろうか。そう考えると少し腹が立つ。
俺にだって友達の5人や6人ぐらい居るっての!まあ、いつも一緒に行動してるのは1人だけど……
頭の中でいろいろと考えていると、顔が曇っていたのか、唯一の親友である蓮が心配そうに声をかけてきた。
「悠陽大丈夫か?ずっと怖い顔してたぞ」
「あぁ、全然大丈夫だよ」
「もうすぐテストなんだから体調崩すなよ〜」
「分かってる分かってる(笑)」
蓮は幼稚園からの幼馴染だ。平凡な俺とは違い、小さい頃から女子にモテてきた。バレンタインの日には鞄から溢れ出す量のチョコを貰っていた。友達も多いので、毎日を忙しそうにしている。そんな蓮が俺と仲良くしているので、クラスの奴らは不思議に思っているだろう。
「なあ、あのイケメンの1年、今日も女子に告白されてたらしいぞ!ほーんとモテるよな〜」
「凄いね。告白の返事はどうだったの?」
「それがさ、今回あの1年に告った女子が中々可愛かったみたいで、いい雰囲気になってたらしいぞ!」
「……そうなんだ。」
「急に嫌そうな顔して、ッ!もしかしてその女子のことが好きだったのか〜?(笑)」
「なわけないだろ(笑)」
「ほんとか?(笑)まあとりあえず帰ろうぜ!」
帰り道。その日は何故か、いつもより空が濁って見えた。
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