おもいあい

卵焼き

第1話「出会い」

どうしてこんな事に……



俺はただただ平凡な人生を送っている17歳の男子高校生だ。のはずなのに…

俺は今、後輩のワンコ系イケメンに懐かれている。何故懐かれているのかは俺にも分からない。ひとつ心当たりがあるとしたら、1年前の入学式の日だ…

アイツは入学式の日から一際目立つ存在だった。俺はイケメンには興味がないので特に気にせずにその日を過ごした。

帰り道、俺は好きな漫画の最新刊を手に入れるため、書店に向かった。書店に入り真っ先に目に入ったのは、背が高くスラッとしていて、綺麗な横顔で本を選ぶ、入学式初日から全生徒から注目を浴びていた、あのイケメンだった。

ほとんどの女子があのイケメンの周りを囲んでいたので顔をよく見ていなかったが、近くで見てみると、肌は白く、一見女だと勘違いしてしまいそうな程に綺麗な顔をしていた。

その綺麗な横顔を見つめていると、俺の視線に気づいたのか、大きな瞳がこちらを見つめた。

目が合った瞬間、俺はこの世界に、あいつと俺だけしかいないかのような、不思議な感覚に襲われた。

やばい、見つめすぎたよな…

俺が視線を逸らすと、あのイケメンがこっちに近ずいて来る。

「あの、この本好きなんですか?」

「あ、うん、その本の最新刊買おうと思って」

「俺も最新刊買おうと思ってました!良ければ連絡先交換しませんか?!この本大好きなんですけど、周りに話せる奴いなくて…」

「全然いいけど……」

「嬉しいです!ありがとうございます!」

勢いで連絡先を交換してしまった…

今思えば、この日の出来事が、俺の人生を狂わせる原因の一つだったの

かもしれない……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る